第3話-籠に揺られ

眠い。

寝たければそう呟く。



ねむぃ。

眠くなれば、そう嘯く。



ね……。

寝てしまえば言葉は消える。



起きた時には忘れている。

自分が旅した記憶を、

不可能を可能にできた実感を。



目覚めたときには覚えている。

妄想に耽ったあの時間を、

まどろみに堕ちた愚かさを。



誰かに話すことはない。

ただ、自分だけの思い。

今日も脳内に思考を巡らせ、

一日を乗り切る。



明日もまた、夢をみる。

そう願いながら毛布をかぶると、

再び眠気が襲ってきた。






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