この世界の真実編

第46話 閻魔、再び

 遂に新章です。

 ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。

 ここからは、タイトルが有名無実化してしまいますが、引き続き宜しくお願いします。m(_ _"m)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


      第二章 この世界の真実(ハーレム)編



        閻魔、再び



 ん? 夢の中か? リムは?

 返事は無い。

 体中が痛い!

 節々が悲鳴を上げているようだ。


「リム! 居るんだろ? もう起きていいだろ? 交代だ! というか、何だ? この痛みは! おい、説明してくれ!」


 やはり返事は無い。

 俺が起きる事も叶わず、痛みに耐えていると、いきなり聞き覚えのある声が響く。


「アラタ君、久しぶり~」

「リム! じゃないな。 その声は、閻魔大王! でいいんですよね? お久しぶりです」

「うん、覚えていてくれて、嬉しいよ~」

「アハハ、忘れる訳無いじゃないですか。この世界に俺を叩き込んだ張本人を」


「おや~? 不満なのかな~?」

「いや、性別以外の不満は無いのですが、その、済みません。辛い事があったので」

「うんうん、ちゃんと見ていたよ~。でも、僕にお願いされてもね~」

「げ! そんなとこまで見ていたんですか? そこは忘れて下さい。と言うか、何で俺みたいな奴をそこまで?」

「当然だよ~。君達みたいな、不安定な魂、放っておけないからね~」


 だったらさっさと男の身体に!

 と思ったら、機先を制された。


「君は知らないかも知れないけど、僕の本来の仕事は魂の番人だよ~。でも、流石に異次元のこの世界に、あまり干渉は出来ないのよ~」

「なるほど。それで、またアフター何とかですか?」

「いや、それはもう必要無さそうだね~。僕の見込んだ通り、君の魂は、ちゃんと男性の身体に入ったよ~」


 俺は思い出した!

 そうだ、俺は最後、スコットの身体に俺の魂を移す呪文を唱えたんだ!


「という事は成功したんですね! そうだ、スコットの魂は?! また2重魂とかは?!」

「うんうん、大丈夫だよ~」

「そうか、良かった! って、良くない! やはりスコットは死んだんですね?」

「そうだね~。彼は辞退したんだよ~」

「え? 辞退って何を?」


 一体何のことだろう? さっぱり分からない。


「う~ん、分かり易く言うと~、君の蘇生魔法、あれは結構いい線行ってたんだよ~。彼に現生への執着があれば、成功していたかもしれないね~」

「なんと! そうだったんですか!」


 ふむ、それが本当なら、スコットは現生への執着が無く…、あ、そういう事か!

 辞退したって言うのは。


 あの野郎! 

 俺があれだけ頑張ったのに、あっさり諦めやがって!

 起きたらお仕置きだな!


 しかし、よく考えてみると、そのお仕置きする相手の身体に俺が居たりする。


「なるほど、何となくですが、分かった気がします。それで閻魔大王、アフター何とかで無いなら、何故ここに? 後、この身体の痛みは?」

「うんうん、それも教えてあげようと思ってね~」

「ありがとうございます」

「結論から言うと、君がその世界で育てた能力が、彼の器にまだ収まりきっていないのよね~」


 ん? 俺のチート能力のことか?

 確かに、俺のステータスは、リムのと合わさっていたせいもあり、スコットの3倍以上ある。


「でも、多分、もう少しの辛抱だね~。うん、今見たけど、問題ないね~」

「そうなんですか。あと少しなら何とか。色々とありがとうございます」

「礼には及ばないよ~。君も僕の期待にちゃんと応えてくれんだから~。あの気持ちの悪い状態には、僕も辟易していたんだよ~」


 ふむ、流石は魂の番人とやらだ。

 その使命感でわざわざ俺に会いに来てくれたのだろう。


「とやらじゃなくて、れっきとした番人だけどね~。じゃあ、多分君が望まない限り、もう会う事は無いと思うので、さようなら~」


 げ! 相手が一応神だという事を忘れていた。

 きっちり読まれている。


「さようなら~。どうもでした~」


 閻魔大王、相変わらずだな。

 しかし、色々と教えてくれたことには素直に感謝しよう。

 できれば、こうなる前に教えて欲しかったのだが。


 しかし、去り際に何か意味深なことを言ったような気がする。

 まあ、今は関係ないだろう。


 それよりも、これからだ!

 閻魔大王の言ったことが本当なら、この痛みももう少しだけのようだ。

 そして、俺はこの世界に来てからの最大の目的を、達成してしまったことになる。

 そこは素直にスコットに感謝するのみだ。


 しかし、本当にこれからどうしよう?


 俺は痛みのせいか、再び意識が薄れた。



 ん? 何やら股間がこそばゆい。


「その感じですわ。そうすると、殿方は喜ぶのですわ」

「なるほど。初めて触りました。何か大きくなって面白いですね」

「ミレアちゃん、それ以上は限界かもっす」

「お姉様方、その、もうやめたほうが……」


 まだ身体が痛いが、これはヤバい!

 堪えながら目を開ける!


 俺のナニに手をかけているミレアと、目が合う。


「お、お前ら、一体何をしているのかな?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る