我が校の修学旅行は異世界でサバイバル〜魔法とスキルとチートで最強を目指すそうです
雪風だいふく
第1話《目が覚めたら異世界!?上》
「ここは・・・・・・」
目を覚まし、あたりを見渡せば、視界に入ってくるのは一面に広がる荒野・・・。
空を見上げると、雲は無く、毒々しい赤に染まっている。
「ここは一体・・・・・・?」
目に飛び込んでくる殺伐とした光景に頭の処理が追いつかないのか、少年は同じことをくり返す。
そして。放心していた少年の顔に、突如戦慄が走るッ!
それは、自分の知らない場所へ来てしまったことへの不安か、それとも、これから起きるであろう未知への期待か。
「・・・・・・いよっしゃゃぁぁああああ!!!コレってもしかして異世界召喚とかいうやつ!?俺ってもしかして勇者になれちゃう!?」
どうやら後者であるらしい。
なんという精神力!常人ならば恐怖に駆られるであろうこの場面で、彼はなんと狂喜乱舞している。
なんという精神力!(2回目)
メンタル面だけは既に勇者(笑)である。
とそこで。
「うるっさいわね!!叫ぶなっていつも言ってるでしょ!ほんとにもう・・・あんたって人は!」
気の強そうな、しかしそれでいて|何処(どこ)か可愛さを感じさせる声が聞こえてくる。
真下から。
・・・・・・え??
あわてて下に目を向けると、女の子と目が合った。ほう・・・・・・なかなか可愛い。彼女にしたいくらいだ。しかもよく見ると見知った顔だ。
いや!!待って!!そこじゃない!!なんで俺は女の子の上にいるんだ!?ちょっとだけ嬉しいけれど!!
断じてちょっとだけだ!少年の顔が満面の笑みになっていても、ちょっとだけなのである!!
「ユウトお前はとりあえずあとで殺す。今は・・・・・・私の上から早く降りろ。」
「あ、ご、ごめんなさぃ。」
「無理。」
「い、いやぁ、でも
ユウトは必死で相手を褒めているのだが、もちろん逆効果。華音の額に青筋がピクピク。
まさに一触即発!逃げてぇ!ユウト!!
とそこでまた。
「それ以上は止めとけ、ユウト。華音に殺されるぞ?」
「お。
「おう、ずっといたぜ?お前よう、テンション高すぎて周りが全然見えてないんじゃねぇか?」
「え??」
今度は慎重にあたりを見渡すユウト。すると。なぜ今まで気付かなかったのか。そこにはクラスメイト|+(プラス)先生の皆がいた。不思議なことに、全員無傷であったが。かくいう自分も無傷である。
(そうか、思い出したぞ!俺たちは、あのロケットの艦長のおかげで助かったんだ!)
そう。ユウトたちは、宇宙船に乗りながら修学旅行の真っ最中だったのである。快適な宇宙旅行だったのだが、船の動力機関に不具合が起き、ロケットが墜落してしまったのだ。操縦士でもある艦長の必死の機転で、クラスメイト達は死を免れたのだ。
(俺たちは助かったのか。でも、ここが何処だか全くわからない。安堵するにはまだ早いッ!)
ユウトは異世界転移の物語を今までたくさん読んできたので、これからどうすれば良いのかが手に取るように分かる。親にも友達にも無駄だと言われ続けてきた知識が今!役立とうとしている!
(まずは墜落したロケットを探さないとな!怪物に襲われませんように。はは、そんなこと考えてるとフラグが立っちまいそうだ。)
「ちょっとユウト、先生が呼んでるわよ?」
「お、わりぃ。ちょっと考え事してた!じゃ、行こうか!健吾、かもん!」
「おう!」
ユウトたちは急いで先生の元へと走っていく。
そしてもちろんフラグは回収されることになる。
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