第4話 何気ない会話
もう古い時代でもないのに何故散歩に誘ったのだろうか。もっといい接し方があっただろうに。彼と一緒に家路を歩いていて感じていた。まさか、家の方向が同じだとは思ってなかった。親同士が偶然に合って仲良くなってくれたらいいのに、とちょっぴり心が呟いた。
彼の横顔を見ている。髪の毛が長すぎるせいか目がほとんど見えない。一体どんな目をしているのだろう。歩いている途中、太陽が建物から顔を出し夕焼けの絢爛な朱色に輪郭が照らし出され彼の髪の毛の間から少し目が見えた。それはとてもきれいな茶色い目が見えた。少し見惚れていると彼が私の視線に気が付いた。
「あのさ。クラスの奴等、陽キャ多いのか?」唐突の質問に私は少し困惑した。
陽キャ?クラスでいつも騒いでいる人たちの子とか?
「クラスの大半そうだと思う、、、」あまり見ていないせいか記憶が曖昧でお茶を濁してしまった。「答えになってる?」心配になり確認してみると彼は小さくうなずいた。そうか、と小さく呟いた。
「クラスの子とか、気になるの?」
「いや、別に只、人間がそんなに好きじゃないからさ。とくに学生は。」
それはハエでもうっとしかのような言いようだった。
「そうなの、、、じゃ、私も同等ということだよね、、、」
「いや。それはない。君とは同じ匂いがする。」間髪入れずに彼が言葉を挟んだ。
「君は他とは違う何かを持っている気がする。目を見て分かった。」と淡々としゃべった。
そうか。他とは違うのか。何故か心に深く刺さった。でも。何故、目なんか注目していたのか。
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