ヒーローになってしまった僕

徹夜の常習犯

第1話 気弱な僕

この世界が平和だったのは、いつまでだっただろう。


僕が変わってしまったのは、いつからだっただろう。


3年前高校2生だった僕は、気弱な性格のせいかいじめられていた。


そんな日々に嫌気がさしてしまった頃だ。


事件が起こったのは。


「約束のもの、持ってきたかー?」


いつものように恐喝をうけていた時、カラダが熱くなるのを感じた。


そこから先のことは全く憶えていない。


気がついたら校長室で…


「尚也くん、キミが生徒達にこんなことをするなんて…」


校長先生の視線の先にはアザだらけのいじめっ子たち。


僕がやったの…?


「尚也くんがやったんです。俺達はただ…仲良く話してただけなのに。」


全くの嘘だったが、僕は事実を話すことができなかった。


「そうなのか?」


じっと見つめてくる担任の先生をしりめに、いじめっ子たちを見た。


すると何故か怯えたようにうつむいた。


僕は訳が分からぬまま、退学になった。


それからすぐの事だった。


人間を食べる怪物、プレデターが現れたのは。


人々はすぐに対応し、部隊が作られた。


学校どころではなくなったのだ。


つまり、子供は自由になったのだ。


僕は高校に入る前に1人暮らしを始めたため、1人で平和に暮らしていこうと決めた。


死ぬ時まで、いつもどおりに生きようと。


…そんな僕は現在、非常事態に直面していた。


プレデターが、女性を襲おうとしているのだ。


いじめられていた頃の自分を思い出した僕は、あろうことかプレデターのほうに向かっていってしまった。


「やめろ…」


僕はカラダが熱くなるのを感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒーローになってしまった僕 徹夜の常習犯 @kaitou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ