24.うるさい人形

 そいつはピクピクと痙攣を始めた。

 地獄の底からわきあがってくるような声が響く。


『オハヨウ、アサダヨ。オハヨウ、アサダヨ』


「なあ、瞳」

 喋り続けるそいつを、千也は朝食の支度をしている瞳につきつける。

「これ、何とかならないのか?」

「何とかって? もしかして、気に入らないの? 『ルパートさん目覚まし人形』」

 信じられない、といった表情の瞳に頷く。

「頭押しても止まらないし」

「両方の足を同時に引っ張らないと止まらないって何回言ったらわかるのよ」

 ピクピクと痙攣を続けるその人形は呻き続ける。


『オハヨウ、アサダヨ。オハヨウ、アサダヨ。オハヨウ……』

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