夏
りゅう
第1話 朝顔
朝顔に水をやる。これは夏休みに私のクラスの誰かが当番でやっていることだ。
今日は私の日。私と、あいつとの当番の日。水やりの当番は2人ずつで組まれている。たまたま、私とあいつが一緒になっただけだ。あいつは来るのが遅い。
「おーーーい!!ごめん!!」
やっと来た。いつも謝っているけど、これで5回目だ。
「5回目」
「マジでごめんて!!」
いつもそうだ。このやり取りも5回目。こいつは時間というものをよく分かってないんじゃないかって思う。
「ほらやるよ」
「わかった!」
返事だけはいい。
「暑い…」
「そうだね…」
暑すぎて碌に会話も出来ない。会話していないと余計暑さを感じてしまう気がする。今年はいつもよりすごく暑いって天気予報で言っていた。
「うっしゃ〜終わり!!」
「やっと終わった〜」
朝顔全部に水をやっていたら、時計は12を指していた。もうお昼だ。今日はこの後ゆみちゃん達とプールに行くことになっているから、早く帰って準備しないと。
「なぁ、」
「なに?」
「アイス買って帰ろうぜ!ガリガリ君ならおごってやるよ!」
「なにそれ…」
今日はプールに行く。
でもちょっとだけ、水やり頑張ったし、暑いし。
「いいよ」
「おう!行こうぜ!!」
アイス食べたいし、こいつとまだいたい気がするから、いいよね。
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