090 《神性との結びつきは人類にとっての本能だから、その結びつきを無視しようとしてもむだなのだ》

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神:人類の争いは軍事的な闘いではなく、心の闘いだ。


 軍事的な闘いにすぎないのだったら、闘争は終わるだろう。最強の軍隊が簡単に勝利するはずだから。


 だが歴史上も、また現在の世界の出来事も、最強の軍隊であっても勝利できないことを教えている。


 制圧することはできても、勝利はできない。


 制圧と勝利はべつのものだ。


 人びとの心を変えることができたとき、はじめて闘いに勝利し、人類に平和と調和をもたらしたと言うことができる。それが実現するのは、問題は軍事力でも政治でも経済でもないと人類が気づくときだ。人類がいま直面しているのは、霊的な問題なのだから。


 しかしそこが理解できれば、軍事的、政治的、経済的道具を使って問題を解決することができるし、解決するだろう。それどころか生命/人生のすべてが再編成されて、問題になるより解決策の一部になる。それがいずれは人類を人類自身から救うだろう。


ニール:そのとき、たとえば政治ではどんなことが起こるのでしょうか?新しい霊性がひろまったら政治プロセスはどんなふうに変化しますか?


神:人類は現在の政治的プロセスが生み出したジレンマに対して、自らの解決策を編み出すだろう。その解決策は、神と生命/人生についての基本的な新しい信念から生まれるだろうね。


ニール:それはわかっています。聞きたいのは、どんな変化が起こるかってことなんです。


神:「新しい霊性」は、あなたがたの神聖な信念をひとつにまとめるだろう。


「新しい霊性」の時代には、人類はやっと基本的な信念を共有し、世界中の政治的な表現にもっと統一的な基準が生まれるだろう。


 いままでも説明してきたように、現在、あなたがたの政治は場所によってまったく違う神聖な信念と文化的な価値観を表している。社会によってはこの困ったばらばら状態にうんざりして、神をまったく無視し、神がまったく関与しない政治システムをつくり上げることを選んだところもある。


 だが、そういう政府は長い目で見ればうまくいかなかったし、いくはずがない。なぜなら人びとの人生/生命はその人たちの価値観にもとづいており、価値観は人生/生命についての深い理解にもとづき、 人生/生命についての深い理解はそのひとたちの文化的な物語にもとづいているのであって、いくらその文化的な物語を漂白して神性を排除しようとしても、長期的にはその影響からのがれられない。神性との結びつきは人類にとっての本能だから、その結びつきを無視しようとしてもむだなのだ。


 社会や政治の領域から神を排除しようとする政府は失墜するかー。


ニール:旧ソ連や東ドイツなどのように、ですね……。


神:失墜を避けるために制約をゆるめて、神の復帰を「認め」なくてはならなくなる。


ニール:たとえば「新しい」ロシアのように。それに、いまでは中国ですら、多少ともそういう動きがあるようですね。


神:そう。もういちど言おう。人びとの暮らしから完全に神を排除しようとする政府は、結局、それが不可能だと悟る。神性に向かう衝動は人びとの細胞レベルのものだから、本物の無心論者でさえ、その根源的な本能を克服し否定するには、がむしゃらな力ずくの精神的プロセスを経なければならない。


 どんなひとにも-それに生命/人生のすべてにあなたがたが神と呼ぶものについての深い内なる理解と認識がしみこんでいる。しかしひとによって違う「昨日の神」の姿を見ているかぎり、厳しい挑戦は続くだろう。


 《明日の神 P284》


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*〈伊能言天〉からのお願い:神・人生に関心のおありの方に、当ページを紹介いただけましたら嬉しく思います。→https://kakuyomu.jp/works/1177354054886666914

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