078 《間違った人間が子供を育てている》

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ニール:どうして、たいていのひとは自然な感情を抑圧しているのですか?


神:抑圧しろと教えられたから。そう言われたからだ。


ニール:誰に?


神:親に。育ててくれた人間に。


ニール:なぜ?なぜ、そんなことをするんでしょう?


神:なぜかって、親にそう教えられたからだ。親はまた、その親に教えられたから。


ニール:そう、そうですね。でも、なぜなんだろう?どうなってるんでしょうね?


神:どうなっているかって、つまり、間違った人間が子供を育てているのさ。


ニール:どういう意味ですか?「間違った人間」って誰のことです?


神:母親と父親。


ニール:母親と父親が子供を育てるのは、間違っているんですか?


神:親が若いときには、そうだ。まったく、おおぜいの親がなんとか上手に子供を育てているのは奇跡だよ。若い親ほど、子供を育てるのに不適切な人間はいない。それを誰よりもよく知っているのも若い親なのだがね。たいていの親は、ほんの短い人生経験しかないまま、子育てをする。自分自身がろくに育ち終わっていなくて、答えを求め、鍵を探しているのに。


 親はまだ自分自身を発見していないのに、自分よりもさらに傷つきやすい者を導き、発見の手引きをしようとする。自分自身が何者かを決めかねているのに、他者が何者かを決める行為に突進する。当人自身が親たちにまずい決め方をされて、それをなんとか克服しようとしている最中なのだがね。


 親はまだ自分が何者かを発見していないのに、子供が何者かを教えようとする。これを正しく教えようとするプレッシャーはじつに大きい。しかもまだ、自分自身の人生を「正す」ことさえできていない。だから、何もかも間違ってしまう。自分の人生も子供たちの人生も。


 運が良ければ、子供たちはそう大きな被害を受けなくてすむだろう。子供たちは、被害を克服する。


 それでも、一部はさらにその子孫に伝わるだろう。あなたがたの大半は、子育てが終わってずっとたってから、すばらしい親になるための智恵と忍耐と理解と愛を身につける。


ニール:どうしてなんでしょう?わかりません。たしかに、多くの場合はおっしゃるとおりだと思いますが、どうして、そんなふうになってしまうのでしょうか?


神:それは、子供を産む若者たちが子供を育てるようにはできていないからだ。あなたのいる社会でいうと、もう育児期間が終わっているころに、子育ては始まるべきだ。


 生物学的に見て、人間は自分が子供のうちに子供をつくることができる。驚くかもしれないが、生まれて40年、50年はまだ子供なのだよ。


 《神との対話3-P47》


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*〈伊能言天〉からのお願い:神・人生に関心のおありの方に、当ページを紹介いただけましたら嬉しく思います。→https://kakuyomu.jp/works/1177354054886666914

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