現代ファンタジーの異能力バトルものです。

あるキッカケで、異能力を身に着けてしまった中２男子の主人公。

自分の命を狙ってきた少女と何故か同盟を組み、命を懸けたゲームに挑みます。

この作品に出てくる登場人物は、皆どこか狂気を孕んでいます。

総じて、人を殺す事への抵抗が薄いような。

それでも、彼らなりに自分の手を汚す事には思い悩みます。

また、どの登場人物もそれぞれが強い‘執着’を抱えています。

読み進めるほどに、それぞれの登場人物の隠された秘密が明らかになっていき、キャラクターの魅力が増していきます。

主人公が同盟を組んだ少女も、死んだ兄への歪んだ愛を抱えています。

彼女の‘執着’は、兄の敵討ち。

また、主人公の‘執着’は、親友に対する執着です。

死んだと思っていた親友が生きていた。

でも、それは表の社会ではなく…。

そんな主人公も、完全に猟奇的かというとそうではなく、ごく普通の、むしろ‘お人よし’とさえ言える一面も持っています。

カフェに行ったり、料理をしたりといった日常の風景も描かれており、１人の人物の多面性が、よく表現されていてます。

同盟を組んだ主人公と少女の関係性も、注目してほしいと思います。

異能力を使った戦闘シーンも、迫力があります。

是非、ご一読ください。

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