第3話 - ユウの厄日

…あれからどれくらい経ったのだろうか。わたしはぼーっとする頭で考えた。あの日、世界で一番信頼していた人に裏切られた時から───────

───そこには大勢の人が働いていた。といっても、奴隷だが。

彼らは拉致され、洗脳され、給料も貰えずにずっとここで寿命が尽きるまで働かされている。

「おら、さっさと働け!」

黒ずくめの男がわたしをむちで打ちつける。

わたしは四つん這いになりながらも、荷物違法薬物を運び続ける。

ずっとこうだ。あの日から──────

ドオオオオォォォォォン!

いきなり壁に大穴があき、人々がざわめいた。そこには、3人の少女が立っていた。

「みつけましたよ♪」

「やっとか。ってこりゃあひでぇ。」

「…重罪ギルティ…」

一人はスナイパーライフルを片手で軽々と持つ蒼いしましま髪のにやける少女。

一人は身の丈ほどの大きさの鎌を持ち、片方だけ蝙蝠こうもりの羽を生やしたサイドテールの少女。

一人は空色の髪の怪しげな眼光を持った少女。

「…何だこいつらは…?」

「僕たちは、君たちみたいな犯罪組織をつぶしに来た者ですよ♪」

3人が部屋の中に入ってくる。

「し、侵入s──」

その瞬間、黒ずくめの男の首が飛んだ───

「!?」

いつの間にか、鎌を持ったの少女が男の背後にいて、頭を切り飛ばしていた。

次々に3人の少女たちが黒ずくめの男たちを倒していく。

「ほら皆さん、見てないでさっさと避難してくださいよ♪」

近くで声がして我に返る。すぐ近くにはしましま髪の少女がいた。わたしには彼女がすごくかっこよく見えた。彼女は視線を感じたのか、こちらを見た。

「ほら、君も早く非難してくださいね♪」

彼女はにっこりと笑った。この瞬間、わたしは救われたような感じがした。

「あ、あの!」

わたしは彼女に向かって言った。

「…何でしょうか?」

「あなたの名前は…?」

「ふむ…何で名前なんて聞くのでしょうか?」

「えっと…あなたがかっこよかったから?」

「そうですか。いいでしょう。

僕の名前は───────」

私は目を開けた。いつもの見慣れた天井だ。

「また夢か…」

最近はよくみる夢だ。

私を自由にした恩人おんじんの夢。

会いたいと思っても、あれから一度も会えなかった。

────────────────────

ユウは怒っていた。

ヨノアに二度もくだらないいたずらをされたのだ。

「よーし、あいつの目の前に転移して驚かせてやる!」

ユウは転移の準備を始めた。と言っても、ただ転移したい人を思い浮かべるだけだが。

「転移!」

ボチャン。

ユウのひざから下は水で浸かっていた。

「うわっ濡れちゃっ…た…」

またいたずらされたのではない。

「え…」

「あ…」

確かにそこにはヨノアがいた。右目を見開いて驚いていた。

実は、ユウが浸かっていたのは水ではなく、お湯であった。

そう、お湯である。つまりこの時ヨノアは入浴していたわけで、当然服は着ていない。

要するに、ユウは見てしまったのだ。

「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ヨノアの絶叫があたりに響き渡った。

「あ、ご、ごめn」

「ユータにゃんは出てってください!!」

ユウは風呂場の外に押し出された。

「…やっちまった…」

「そうだな。覚悟はできてるか?」

?」

ユウの背後に真っ黒な笑顔でユキが立っていた。

「ユータ、少し表出ようか。」

「い、いやいやあれは」

「問答無用」

「お、お助けを〜!」

ユウはユキによって家の外に引っ張り出された。

「は、話し合いにしようよ、話し合い!」

「冗談だよ。殺さん。ヨノアが出てくるまでここで待ってろ。」

「なんだ、よかった。」

「私はそう簡単に人を殺すような奴じゃない。」

「それにしてもヨノにゃん、隠れ巨ny」

「やっぱり殺す」

その頃風呂場では…

「…」

ヨノアは湯船から出て、着替えていた。

いつもニコニコしているヨノアも、今は真顔である。

「ユータにゃ~ん、もういいですよー。」

ヨノアは大浴場の外に出て、ユウを探した。

玄関には一枚の紙が落ちていた。

「ん…?」

『ヨノアへ

お前の友達は全員拉致して我々のアジトに監禁してある。

友達を返してほしければ、我々のアジトへ来るがよい。』

「へぇ…♪」

ヨノアは一人で不気味に笑った──────

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