プロローグ
沖縄本島と宮古島の丁度中間海域上空。
一機の新聞社の取材ヘリ、"みらい"が現場に到着したのと同時に、どんどん他社の取材ヘリ、公共放送の委託取材ヘリがどんどん群がるように集まってきた。
一番最初に到着した"みらい"の取材ディレクターは、東京からのキューを待たず、同乗している男性アナウンサーに喋らせ始めた。
カメラマンはヘリからは身を乗り出し、真下の巨大な空母を撮影しだした。
空母は確かに大きかった。
偶然にも午前11時半からのニュースの放送開始と同時だったが東京のキャスターの振り同乗のアナウンサーの喋りだしのほうが早かった。
「現在、私が飛行しています空域は丁度、沖縄本島と宮古島の中間に位置する海域上空であります。今までみたこともない巨大な船が、軍艦が、空母が悠々と中国が第一列島線と呼称するこの沖縄本島と宮古島を結ぶ線を越えて太平洋に進んでいきます。
空母の名前は、
ここで、現場からの映像が切り替わり、画面上では女性キャスターが喋りだした。
「それでは、急遽スタジオにお越しいただいた軍事評論家の
とそこまで、女性キャスターが言い、初老の怪しげな軍事評論家が喋ろうとした瞬間TV画面はブラック・アウトした。
それはその一番に到着した取材ヘリのTV局だけでなく公共放送から全チャンネル同じだった。
QVVCの通販専門チャンネル、教育テレビ、BS放送、CSのペイテレビも同じだった。
しかしブラックアウトは長く続かなかった。
画面が復活すると、真ん中には王冠を被った骸骨がたった2コマのGIFFアニメのように首をカクカクさせると、こう言った。
「アイ・アム・ナイト・キング」
それを、足立区で観ていた無職の家事手伝いが洗濯物を干しながら言った。
「まだ、昼じゃん」
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