妖怪 転送 幽霊 拷問
びゃうび病
街灯のグルグル妖怪
経田を超えたところにあるコンビニで立ち読みしてふと外に見える街灯の周りをグルグル暗い影のような何かが回っていて、近づいてみても何もいない。
そんなことを三度経験して気分が悪くなったのでその街灯は極力見ないようにする。妹にもあそこには行かない方がいいと助言するも
「なにそれ、ちょう面白そうやんか」
と逆に興味を持たれてしまう。
ある日の帰り道に妹が街灯を影と同じようにグルグル回っていて、少し強めに怒る。口では反省した、もうしないと言っていたが次第に帰りが遅くなる。ついに会社を休んでまでグルグル回っているのを捕まえて問い詰めるために板の間に座らせる。泥まみれの顔を拭いてやると心なしか以前より肌が綺麗になっている。
「グルグル回ると若返るんやって」
「おめえアホでねえの。そんな怪しいもんに預けるなって。何か持ってかれるぞ。」
その後も妹は懲りることなくグルグル回り続け、中学生くらいの見た目になったのを最後に家に帰ってこなくなる。両親があちこち探すもどこにも見つからず、自業自得だと思い俺は特に何もしない。
妹は街灯の周りをグルグル回り続け、子供のようだったものが次第に輪郭を失っていき不定形の、まさに何かとしか言いようがなくなる。
何かは街灯を反時計回りにグルグルグルグルグルグル回っている。
今日も。
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