百年孤独、アコーディオン

田中ビリー

【歌】百年孤独、アコーディオン

黄昏れる国、アコーディオン、

灰色がかった港の近く、破れた蛇腹を吹き抜ける、

砂の混じった海の風、

降り始めた雨も避けずに、駆け出す人を淋しげに、

忘れられない旋律を、鳴らすつもりで鳴らせない、

あまりに遠く離れて過ぎた、故郷に似た景色ばかりを、

旅して廻るだけの日々、けれど帰るわけでもない、


百年孤独、アコーディオンが揺れる思いに沿って鳴る、

千年孤独、消えゆく街のアコーディオン、

木々が風にさらされた、笑ってるような気がしたけれど、

それはたぶん幻だろう、季節は凪いでゆくだけだろう、


終わりゆく街、アコーディオン、

空いたままの塩に漬かったオリーヴと、

零れたまま放置されてるアルコール、ラベルが油に溶けていた、

ツバメは四季を抱き寄せながら、

南の海の匂いを嗅いで、夏の景色をまぶたに描く、


嗚呼、言葉で泣かないアコーディオン、

夜から朝になる間、ダークブルーの煙るころ、

嗚呼、百年孤独に生きてゆく、影は闇に飲まれて消えた、

いまは唯々、足跡だけが続いてる、

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百年孤独、アコーディオン 田中ビリー @birdmanbilly

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