第2話 ここはどこだろう
私は気がついたらどこかわからない駅の改札に立っていた。薄暗く蛍光灯がチカチカと今にも切れかけてとても不気味な場所だった。
「あのーー誰か居ませんかーーー」
私は声を張り上げて誰かを呼んでみるが鼠の一匹さえ居る気配がない。廃墟のような場所だから当たり前と言えば当たり前だ。
とにかく誰かにあってここはどこだか聞かなければ家にも帰れない。
私はどんどん光が続く方へ歩き続ける。途中で隅の水路に足を取られたが幸運な事に水は流れていなかった
バチッ、ジ-ン…
私が道なりに歩いていくと消えていた蛍光灯の電気の1箇所がいきなりついた。灯りに照らされて見えたのは駅の案内板だった。
[■■駅構内■内板]
随分劣化が激しいようで所々掠れて文字が読めなくなっていたが、下に駅の構内図があったので案内板だということは明白だ。
不思議な構内図だった。
何も設計が変とかではなく、あまりにも都会すぎて逆に不思議だったのである。
きっとどこかの廃駅に天文学的数字で迷い込んだのだと思ったら、大きな区役所や商業施設であろう施設を整えた駅で、その規模に驚いた。
こんな場所に何故人が1人も居ないのだろうか?
残念ながらどこの駅かは塗料が掠れてしまって見えなかった
案内板の現在地からは区役所が1番近くを示している。まぁ、区役所ならきっと誰か居るはずだ。
ひとまずそこに向かおう。
私は歩きながら気がついた。
私の家はどこなんだろう。
また頭の裏のどこかが赤くなった気がした
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