花言葉なんて嫌いだ

第1話 花の名をもつ女の子

花言葉……それはその花に与えられた宿命。


その名を受け継ぐということはその宿命をも受け継ぐということ。


これは、そんな花言葉の宿命を受け継いだ者達の物語である。



「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ………」


もう足の感覚がない。でも、止まれない。休めない。


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ………」


追いつかれる。嫌だ。嫌だ。どうして?

どうして私だけが…


「はぁ…はぁ…はぁ……もう…嫌」


次第に意識が遠のいていく。もうダメだ。

もう……… 誰か…助け…て……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日から新学期が始まる。

僕の名前は 小田オダ 真貴マキ

立鏡学園の新2年生だ。

名前だけ聞くとよく女の子と間違われるが、れっきとした男だ。

現在、高校のヒエラルキーで言えば僕の立ち位置は中の下…といったところだろうか。

順調だ…。


僕は目立つのが嫌いだ。何事も平穏が至高だ。だから成績や交友関係も中の下を維持している。


「よーし、みんな席につけ〜。朝のホームルームを始める。私は今日からこの2−1Hを担当する 清美キヨミ ナツだ。よろしく。」


「おおーー!!」

「きゃーー!!」


清美先生は学園一の美貌を持つ数学教師だ。

そうだけあって、クラス一同の反応は濃い。


「はいはい、静かに!突然だが、転校生を紹介する。入っていいぞ。」


ガラガラと音を立てて開けられた扉から入ってきたのは艶のある黒髪を肩まで伸ばしている目つきの悪い女の子だった。


「今日からこの学校に転校してきました、

風篠カザシノ アザミです。」


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花言葉なんて嫌いだ @s7y

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