第4話 『魔術とオーラ』
よーし、よくきたなお前ら!
今回は『魔術とオーラについて』だ。
魔術は散々教えたから、必要になったら説明に使う程度だ。
今回の主役はオーラ。
みんなわかるかオーラ。
挨拶じゃないぞ、なんか優雅な感じするけどな。
オーラ、ごきげんいかが?
冗談だ。
さて、魔術と違い使える奴はかなり少ない。
区別の魔術使用率なら、A区はかなり高いほうだ。
その中でも日向町はトップクラスの魔術師たちが集まる場所だ。
魔術を学ぶにはもってこい。
だが、それに比べてオーラはまず使用者が絶対的に少ない。
今のところA区出身で使いこなせるのは私とST科第七班班長の平等院真ぐらいなもんじゃないか?
まぁ、使える奴は少なくないが、使いこなせる奴は少ない。
じゃあまずはオーラがなんなのかを説明したいと思う。
オーラとは、鍛えられた肉体と洗練された動作が生み出す強烈な運動エネルギーだ。
魔術と同じで肉眼ではっきり見える。
達人と組手をした者が言う、一回りも二回りも大きく見えた、と言うのがあるだろう?
まさにアレのことだ。
気迫だけでなく、実際に鍛え上げられた体から滲み出るエネルギー、それこそがオーラ。
使いこなすのは至難の技だが、それは魔術も同じだろう?
だが、オーラは魔術と違って使えるようになるまでも時間がかかる。
どうすれば使えるようになるか。
仕組みを勉強したり、精神統一なんかをする必要は一切ない。
鍛えろ。
それだけだ。
なんだその疑いの目は。
まぁ、わかるぞ気持ちは。
そんな鍛えただけで、すごい力が身につくわけないと。
いやいや、もっと近道があったりするから、鍛えるのは王道だけど意外と遠回りだったりする。
まぁ、鍛えるっていっても多分想像の域が違うんだと思うぞ?
防具もつけずに大型モンスターと死闘を繰り広げたりとか、おんなじ動作を滲んだ血が土に還るくらいの時間を繰り返したりとか。
途方も無い鍛え方が必要だ。
え?そんなに修行したようには見えない?
だから言っただろ?意外と近道があるって。
教えて欲しいか?
簡単だ。
死ぬことだ。
あ、いやいや、本当に死んじゃダメだよ?
死に直面した時、人間の体は限界を超えた力を発揮する。
それこそがオーラが芽生える最も簡単な方法。
もちろん、そのオーラをちゃんと使えるようにしとかないと、いずれ使えなくなる。
だが、一度マスターすれば、自分で引き出して使えるようになり、ヤバイ人は生活する間ほぼ常にオーラを放出しながら生きている。
私も挑戦したことがあったが、半日も持たなかった。
いったいどんなふうに修行すればあんな境地にたどり着けるのか……。
おっとすまない。
自分の世界に入ってしまった。
とにかく、まずオーラを発現させる敷居が高い。
そのせいであんまりオーラ使いはいない。
『絶望と破壊の監獄』と呼ばれるD区には数多くオーラ使いが存在する。
この街は言ってしまえば安全だからな。
ん?他の区について?
それも今度教えてやろう。
オーラは大きく10段階のレベルに分けられる。
まずはレベル0。
これはオーラを発現していないと言う意味だ。
ほとんどの人がこのレベル0に分類される。
だから、実質的にオーラの区分は9段階ということになるな。
ハンター協会で師範代として活躍する者たちは大体レベル3程度だろう。
彼らも相当数の死線をかいくぐってはいるが、オーラを鍛えているわけでは無いからな。
だが、レベル1あれば威力の低い下級魔術程度なら叩き伏せることができるからな。
3あればのこの辺りに出現する大型のモンスターでも倒すことができるだろう。
では、さらにその上をいくオーラはいったいどれほどの力を持っているのか?
5あたりから、魔術じゃ太刀打ちできなくなる。
そりゃあ、上位の魔術師ともなれば話は別だが、魔術師としての実力が未熟な奴は、もう勝つ可能性すら見出せん。
平等院真はたしか6だったな。
17歳と言う若さでD区で神速の蓮司と恐れられた葛城蓮司と互角で戦えるレベルなのだから、将来が恐ろしいな。
もしかすれば、あいつがLV9を超える臨界者となるかもしれんな。
私?私か、私はレベルXと呼ばれる特異体質でな、基本的にはレベル5と同等だが、条件によってはレベル9まで上げることができる。
魔術の素質がない代わりに、オーラの才能はあったってわけだ。
え?でも魔術師なんだろって?
まぁなぁ、大変だったぞここまで来るのは……。
気づけばもう30は目の前だと言うのに恋人の1人もいない………ハッ…!
この話はやめだ!
とにかく、オーラについては以上だ。
オーラにせよ魔術にせよ、極めるのは簡単じゃないってことだな。
んじゃあ、次回は趣向を変えて、『大災厄NOVA』について話すか!
んじゃ、また次回!
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