魔法の世界と魔法少女
@kametibi
第1話少女は未来を変える
この世界は、どんな者でも、魔法を使える世界...
みんなが同じ魔法を使う訳ではない...
例えば、ほうきで空を飛ぶ、手から火を出す、動物と会話をする、傷を一瞬で直す....など
しかし、みんなが優れた魔法を使える訳でもない...
この世界で悲劇が起きてから一ヶ月...
人類は滅んだ。
俺は...この世界で生き残ることはできなかった...
俺は戦った。頑張って戦った。
しかし、俺は命を落とした。
「変えて...くれ..」
俺は少女に言う。
「この運命を...」
少女は血に染まった俺の手を握る。
「わかった...」
そう言うと、少女は去っていった。
俺は、どんどん視界が暗くなっていった。
2098年 7月20日
今日から中学校の夏休みが始まる、俺は中3だ、受験が近づいている...
家に帰る途中に同じクラスの女子に会った。
「祐介君だー」
「何だ?板原」
同じクラスである板原は毎日の様に話しかけてくる。
とても可愛いいので、クラスでも人気者である。
成績は学年トップ、理想の女子という感じだ。
「祐介君、明日私と一緒に勉強しよー」
俺は正直勉強は自分の家で勉強したいが...
人の家ではあまり集中ができない..
でもせっかくクラスの女子が誘ってくれたのだ。
「あ、うん、じゃあ明日1時頃に板原の家行っていいか?」
俺は自分の家で勉強する方が好きだが。
「うん、来てねー、後、他の友達も誘ってるからー」
板原は元気そうに言う。
「おっけー、じゃあまた明日なー」
俺は数学の教科書を歩き読みしながら家に帰った。
俺は家に着くとテレビをつけた。
すると、なにやら胡散臭いニュースが流れている。
15歳ぐらいの少女が魔法で強盗犯を倒し、空飛ぶほうきで去って行った。
というのがニュースで報道されていた。それを魔法少女だと言われている。
正直俺は、魔法を色々使える少女だと思った。
二つ以上魔法を使える人はたくさんいる。
そんな特別なものだろうかと思う。
俺は一つしか魔法を使えない...
手から石を出す...というのが俺の魔法だ...
正直あまり必要ないと思う。
もっと便利な魔法が欲しかった...
俺はカップラーメンを食べながら昨日の録画していた友達に勧められた深夜アニメを見る。
そのアニメは魔法少女が敵と戦うという内容だ。
こうやって色んな魔法を使えるのが羨ましい...
俺はカップラーメンを食べ終わり、カップラーメンのカップをゴミ箱に捨てに行く時だった。
ガシャーン!
二階から音がした。
「何が起きたんだ!」
俺はびっくりして二階の部屋に行くと、一人の少女がいた。
銀髪美少女で知らない学校の制服を着ている。
どうやらほうきで飛んできたようだ。
そして屋根にでかい穴が空いていた。
「なんて事だ...」
俺は目の前の少女に目を向けた。
「あの....この屋根をやったのは...君?」
「うん?そうだけど....」
と答えた。
「いや、うんそうだけどじゃねーよ!どうするんだよこの屋根!」
「あ、それは大丈夫!私が魔法で直すから」
「じゃあ今すぐ直せ!」
俺は怒り気味で言う。これでも怒りは抑えている..まあ、目の前にいるのが美少女というのもある..
少女は穴が空いた屋根の方に向かって、
「戻れ!」
と言う屋根の穴はみるみるふさがっていく
「すげー!」
俺は思わず声をあげた。
こんな魔法を使う奴は見たことがない。
「すごいでしょー?」
少女は自慢気に言う。
「あのね、私君に用があるんだ」
「あ、はい何でしょうか?」
「あなたの魔法って石を出すことだよね?」
「はい、そうですが....って何で知ってるんだよ!」
「最近君を観察していた!」
「いやストーカーかよ!」
「まあ、それは置いといて」
「いや大問題だから!」
「実はあと二年ぐらいで邪神が召喚されて、世界が大変な事になっちゃうんだ。」
正直何を言っているのかわからない....
この世には召喚する様な魔法は無いし、流石に急展開すぎる。
「ちなみに後四年で人間は絶滅します」
俺はそれを聞いた瞬間、思わず声を上げた。
「ってはー?」
でもどうして俺に用があるんだろうか?
「どうして俺にそんな用が....」
「あっ、それなんだけど」
俺に何かできる様な事はあるのだろうか?
「君の力を貸して欲しいの」
「力?」
俺はそんな力は持ってないぞと思いつつも答える
「君の力でゴーレムを出して欲しいの!」
「ご、ゴーレム?」
俺の魔法は石を出す事だが...そちろんそんな事は出来ないが...
「だから!あなたの魔法は石を出す事でしょ!本当に意味もなさそうな力だけど!」
俺の魔法が否定された....
「いや、酷いな!これでも石で剣を頑張れば作れるんだからな!」
俺は少し自慢を入れつつも言い返す。
「石の剣?そんなの大したことないなぁー、私なんて炎の剣とか、どんな攻撃でも防ぐバリアだって
作り出す事も出来るんだよー!」
俺は何も言い返せない...
「でなんでそんなに色々できるのにゴーレムなんて必要なんだ?」
俺は少女に問いかける。
「それはね...よく聞いて」
少女のテンションがさっきといきなり変わった。
「これから2年後に、謎の召喚師によって邪神が召喚される。その邪神は人々を殺していく..
私たちは邪神と戦うのだけど、絶対に邪神には勝てない...
でも...あなたの魔法ならば勝てる。あなたの魔法は石を出す事...
確かに、自分でも必要ないと思うだろうけど、実はただの石を出すだけじゃないんだ。
あなたの出す石は、命を宿らせる事ができる。しかもその石はただの石ではない、あなたの魔法は、この世界を救う為の物...」
正直何を言っているかはわからないが、これから大変な事が起きるのだという事だけはわかる。
「話は...わかった。でも、どうやって俺の出す石からゴーレム?って奴を作り出すんだ?」
俺はそういうと、少女は頭を抱えた。
「うーん、あなたの魔法を強くするしかないね....」
どうすれば俺の魔法は強くなるのだろうか?
そもそも俺の魔法に特別なものがあるとはなぁ、と思う。
「ひたすら魔法を使ってあなたが強くなるしかないですね。」
少女は困ったように言う。
「それってどうやって?」
俺は少女に問いかける。
「だ・か・ら・悪い人を倒したり色々したら魔法が強くなって行くの!」
どうやら俺は犯罪者と戦わないといけないようだ。
それにしても、どうして少女は二年後に邪神が召喚されるとか、人々が殺されるとかをわかっているのだろうか?
「どうして二年後に邪神が召喚されるような事を知っているんだ?」
そう聞くと少女は
「それは....まだ知らない方がいい。」
どうやら少女は何かを隠しているようだ。
しかし、何を隠すことがあるのだろう?
今日あったのが初めてだし...
昔会ったことがあるのだろうか?
どんだけ考えてもわからない。
俺は少女と話していると、外から悲鳴が聞こえてきた。
その悲鳴は聞いた事のある声だった。
「キャー、誰か!誰か助けてー」
その悲鳴は、鬼ごっことかで遊んでいるようには聞こえなかった。
俺は慌てて窓を開けた。
そこには、板原がチェーンソーを持った男に追いかけられていた。
板原は必死で逃げている。
その男は怖い顔をしていた。
「お、おい、何でもできる少女さんよ、板原の事を助けないと...」
俺は少女に言う。
「板原ってあの女の子?いいよ、私のほうきに乗って。」
俺は少女とほうきにまたがる。
「じゃあ行くよ!」
すると、ほうきは浮かび上がり、窓の外へ抜ける。
少女は空飛ぶほうきでチェーンソーを持った男を追いかける。
そのほうきは本当に宙に浮いた。
そしてとても速いスピードで男を追いかける。
すぐに男に追いつく、男の前をほうきで横切り、そして止まった。
俺は大声で、
「おいお前!何があったんだよ!女子を追いかけて」
「お前には関係ない!」
男は声を荒げて言う。
「関係ないことはないだろ!そいつは俺と同じクラスの女子だよ!そいつが何かしたのかよ!?チェーンソーなんて危なすぎるだろ!」
俺は男に大声で言う。
「あの..何でもできる少女さん、ここはお願いします。」
俺は少女に頼むが..
「あなたがやって」
少女は拒んだ。
「な、何故?」
「あなたの魔法を強くするため、こうやって戦うことによって魔法が強くなって行くの」
俺はふざけんな!と思いつつも手から石の剣を作り出す。
「祐介君!だめ!そいつは自分の力を一時的に100倍まで変えることができるの!」
と板原は俺に言った。
その言葉を聞いてはい?となった。
俺は手から粘り気の強い泥を出し、男の足元に泥を投げた。
俺は石の元の泥や砂を出すことも一応できる。
「あははー動けないだろ???」
俺は男に挑発する。
「あのさ....それ意味ないよ」
少女は俺に言った。
「え...でもあれは結構粘り気が..」
「なぁ、俺は力を100倍まで変えられんだぞ?こんなもんで動けなくなるとでも?」
男はそう言うと、俺が出した泥から足をだした。
なんてことだ......
「少女さん...お願いします。」
俺は少女に頼む。
「仕方ないねーまぁ、ここで死なれても困るし、」
少女は男の前に立つ。
「あー、何だお嬢ちゃんよー」
男は少女に言うと、少女にチェーンソーで殴りかかった。
「100倍の力だぞー、死ねーー」
しかし、少女は冷静だった。チェーンソーで殴られる直前に、少女前に緑色のバリアが現れた。
「何だ?このバリアは?」
男は少女に問いかける。
「あなた、そんなか弱い女の子をおいかけて楽しかったの?」
少女は男に余裕そうに言う。
「じゃあ、バリアを使わないであげようか?」
少女は何故か冷静だ。あの男はチェーンソーを持っている。しかも力を100倍に変えることもできると言うのに...あの少女は何者なのだ?
「死ねー」
男はそう叫び、少女にチェーンソーで殴りかかる。
しかし少女は動かない
「左へ転けろ」
少女はそう言うと、男は左側へ転けた。
「壁まで飛んでいけ」
少女が言うと男は壁の方飛ばされた。
男は恐怖に怯えた目で少女を見る。
「お、覚えとけよー」
男はそう言うと逃げて言った。
俺は異様な目で少女を見る。
「お前は......何者なんだ?」
俺は少女に問いかけると、
「魔法を使う少女..魔法少女」
とだけ言った。
やはり、この少女は何かある。
こんなに技術の進んだ魔法はこの世に存在しないはずだ。
これは魔法なのか?
今あるバリア魔法でも、100倍の力でチェーンソーで殴ればひとたまりもない。
左へ転けろと言えば男は本当に転けた。
おそらく、人の動作を操る魔法だろう。
しかし....こんなに正確に操れるわけがない....
「なあ、その魔法はどこで教わったんだ?」
「知らない」
少女は静かに「知らない」とだけ言った。
俺は板原の事も心配し、
「大丈夫か、板原」
「うん、大丈夫。助けてくれてありがとう。今度祐介くんとその女の子にもごちそうするね。」
そう言うと、板原は去って行った。
「あのさ、そういえば聞いてなかったんだけど..」
俺は少女に話しかける。
「何?」
「お前..名前は?」
「佐山 瑞季」
「あなたの名前は?」
「片山祐介、よろしくな」
「よろしく」
と瑞季は答える。
片山祐介...それはこの世界の英雄...
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