第899話 チビッ子編 👻 宇宙人襲来!?(2)宇宙人の脅威

 怜は幼稚園に行き出してから、直という友人ができ、毎日、ぐずる事無く幼稚園に行くようになった。

 そして、帰って来てからも、一緒に遊ぶようにもなった。

 その日は、テレビを見ていた。


 夜寝ていると、突然眩しいばかりの光が窓を煌々と照らした。

「一体何?」

 と、金髪の女の人が吹替の日本語で言い、ベッドから起き上がって、窓辺へ近付いて行く。

 すると、勝手に窓が開いて、ツルンとした感じの頭と目の大きな宇宙人が3人入って来た。

「キャッ、何なの!?嫌!」

 慌てる女の人だったが、その宇宙人達に腕を掴まれ、光の中に入ると、そのまま体が宙に浮いて、上空のUFOに吸い込まれるように入って行く。

 次に、イスみたいなベッドに女の人は拘束された形で目が醒めた。

「え!?ここ、どこなの?UFO?」

 キョロキョロとし、逃げようとするも、逃げられない。

 そのうちに、壁の一部がシュッという音とともに開き、宇宙人達が入って来た。

 そして、何かよくわからない棒みたいなものや、キュイイインという音のする何かを持って、女の人に近付いて行く。

「いや、やめて、嫌あああああ!」

 そこで画面は、ソファに座る女の人になった。

「そこで私は、宇宙人に手術されたんです。こう、抑えつけられて。それで、ドリルで歯を削られて何かを埋め込まれたり。

 その後いつの間にか家に戻されてたんですが、4年後、また宇宙人が現れて、同じ事をされました。何か、観察されていたのかも」


 吹き替えの日本語を聞きながら、怜と直は震えあがった。

「怖いねえ、宇宙人って」

「捕まったら改造されちゃうんだね」

 他にも、牛の血が抜かれたり、体に何か金属を埋め込まれたりしたという事例が紹介され、怜と直は、ますます宇宙人の脅威に震えあがったのだった。

 そして、怜は気が付いた。何か、似たような覚えがあるな、と。

「直。僕も、もしかしたら宇宙人に改造されちゃってるかも知れない」

「え!?」

「もっとちっちゃい時なんだけど。大きなイスに座ったら背中がウイイインって倒れて、上にある電器がついてね、白い人が3人、覗き込んで来たんだ。それで、凄い力で押さえつけられるんだ」

 直はゴクリと喉を鳴らした。

「だ、大丈夫だったの、怜?その後は?」

「ううーん。その前と後が良く覚えてなくて……。でも、その記憶だけはあるんだ。

 宇宙人かな?どうしよう。また、連れて行かれるのかな?」

 怜と直はそうならない事を祈ったが、数日後、それは突然訪れる。





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