らんぱう

田中目八

『らんぱう』

いろどりや蒸気機関の遅遅遅遅遅

ことりくるぞくぞくきたる抗鬱剤

菱の実や蒸気にうごく心臓部

円盤のしろい粉ふる秋高し

はくてうの首へ騒騒しい往来

猩猩のタイプライター山眠る

デイクタフオン霰を降らすお呪ひ

円錐の飛ぶや入道をどる村

這う鳥の研究室へ春の泥

さへずりの歓喜から狂気へうつる

早春はころしがうまくゆく帰社す

うまごやし修道僧は群れたがる

あんぱんのへしやげすたすた坊主来し

にんげんの一つのくぼみ春の闇

蟻の塔ときに最後のワイズマン

ふえるときひとりでゐたいはだかかな

金さんと銀さん探すパリ祭

蜘蛛のゐのしづかな眠り重力波

さまざまな部品集まる旱星

曇りのち雨のちスカイフイツシユ虹

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らんぱう 田中目八 @tamagozushi

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