第6話

「さて、これで全員揃いました」


 キリが、そう言うと皆の顔が真剣になる。


「まずは、私から自己紹介しますね。

 私の名前は、小田 キリです。

 自殺の動機は病気です」


 キリが、そう言うと続いて玉藻が自己紹介を始める。


「私の名前は、多摩月 玉藻。

 自殺の動機は、まぁ借金だ……

 彼氏もいるにはいるが、その彼氏も借金ばかりつくってきてな、返しても返しても足らず……

 風俗で働いている」


 玉藻は、その言葉と反して笑顔を見せた。

 続いて中年の男が、自己紹介を始めた。


「私の名前は、御手洗 正三。

 大腸がんでね。余命宣告されている。

 恥ずかしい話、病気で死ぬのが怖くて今回の会に参加したダメな警察官さ……」


 正三は、そう言って苦笑いを作った。

 そして、次に先ほど入ってきたおどおどしたメガネの女子高生が自己紹介をした。


「私は、高校1年製の剛力 綾です。

 自殺の動機はイジメです……」


 綾はそう言ってブラウスをめくり手首を見せる。

 痣が、たくさん出来ていた。


 一同は、一瞬で沈黙した。

 すると、次に若い青年が空気を変えるように明るく挨拶をする。


「俺は、入江 大輔。

 20歳のフリーター。

 まぁ、大学受験に2回失敗して就職もうまく行かずバイトを転々と……

 生きている意味がわかんなくなって、この会に参加しました」


 大輔は、そう言って視線をそらす。

 次にOLが自己紹介した。


「私の名前は、春雨 はるか。

 実は妊娠中なんだ……

 でも、その相手が既婚の上司。

 妊娠したってあの人に伝えたら一方的に別れを告げられて……

 そしたら、この会のことがあることを知って参加……

 情けないよね、ホント、情けないよね……」


 はるかは、泣きそうな表情で言った。

 すると少し間が開く。

 猫之助が自己紹介をしようとしたら、男子高生が自己紹介する。


「僕の名前は、源 勇気。

 高校1年生。

 自殺の動機は、生きる意味がわからないから……」


 そう言った勇気は、窓の空を見る。


「んじゃ、次は俺な?

 俺の名前は、破滅はめつ 万丈ばんじょう

 まぁ、喧嘩っ早いが悪いやつじゃないんでよろしくな!

 アクセサリーを作るのが得意なんで、露天でそれを売って稼いでいる。

 自殺の動機は、この先を考えると良い人生送れないって思うからな……

 まぁ、人生に悲観しての会の参加だ」


 そして、猫之助が自己紹介する。


「僕は、詩空 猫之助。

 金無し仕事なし女なしのダメな人生まっしぐら……

 自殺の動機は、全てが嫌になったからかな……」


 猫之助が、そう言って自己紹介して頭を軽く下げた。

 そして、小さなお茶会が始まった。

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