第4話

 そして、数日後……

 猫之助は、指定された日時に指定された喫茶店の場所に向かった。

 場所は駅近くの喫茶店。

 喫茶店の名前は、喫茶店キリコ。

 場所はすぐにわかった。


  本日貸し切り


 そう書かれたプラカードが、ぶら下がっていた。

 その喫茶店は綺麗な洋風の綺麗な建物だった。

 独特の雰囲気のその喫茶店の中に入ると、綺麗なベルの音が猫之助を迎え入れる。


「いらっしゃい」


 そして、綺麗な女主人がニッコリと笑顔を向ける。


「あ、こんにちは。

 詩空です。

 詩空 猫之助……です」


 猫之助は、自信なさげにそう言った。


「はい。

 猫之助さんですね。

 席は、あちらになります」


 すると既に可愛らしい女性がそこにいた。


「こんにちは」


 その女性が、そう言って笑顔を猫之助に向ける。

 猫之助は、目をそらして挨拶を返す。


「こんにちは」


 それを見たその女性は、頬を赤らめる猫之助を見て女主人に尋ねる。


「純情萌え……

 持ってかえりたい……」


 すると女主人は、苦笑いを浮かべながら水の入ったコップを猫之助の前に置きながらこういった。


「ダメよ。

 玉藻ちゃん彼氏いるでしょ?」


 するとその女性は、残念そうに溜息をつく。


「そうだな……」


「えっと……

 なんかすみません」


 猫之助が、小さく謝ると女性と女主人が自己紹介をしてくれた。


「私の名前は、小田キリ。

 この喫茶店のマスターよ」


 キリが、そう言ってニッコリと微笑む。


「私は、多摩月 玉藻。

 まぁ、大きな声では言えないが、今は風俗で働いている」


 そして、猫之助も自己紹介をする。


「詩空 猫之助です。

 仕事探し中です……」


 猫之助は、少しバツが悪そうにそう言った。


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