第3話

 それから、数日間。

 返事は来なかった。


 チェーンメール的なものなのか。

 悪戯だったのか。


 答えはわからない。

 猫之助は、思った。


  ひとりで死ぬかな……


 そう思ったときだった。

 猫之助のスマホが鳴った。


 猫之助が、スマホをチェックするとマザーからのメールだった。


【猫之助さま。

 お待たせしました。

 メンバーが集まりましたので皆さんで一度お会いしませんか?】


 猫之助が、そのメールを見たときふと思った。

 

「なんか詐欺っぽい」


 でも、そんなことどうでもよかった。

 騙されたら騙されたで、そのあと死ねばいい。


 そう思ってメールの返信をした。


【はい。

 一度会いましょう】


「集団自殺かぁー

 なんの抗議なんだろうね。

 僕は、なんの抗議も意志もない……

 ただ、生きるのが嫌なだけなんだけどな」


 猫之助は、そうつぶやくとベッドに横になった。

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