さよなら、僕の神様
氷菓の骨
―プロローグ―
僕は、この世界が嫌いだ。学校も、すぐに暮れる日も、眠ると来る明日も、素晴らしいとは到底思えない。
昔誰かが、『明けない夜はない』と言ったらしい。しかし僕は、ずっと夜が続けばいいと願っている。学校に行かなくてもいい夜が、ずっとずっと続けばいい。夜が希望にならないと、誰が決めたのだろうか。
『学校は勉強をする場所』なら、僕は一体何を学んでいるんだ。僕が痛いほど学んでいるのは、国語でも算数でも、歴史でもない。社会の縮図とか言う、ゴミのようなヒエラルキーだ。人とどこかが違っているで淘汰され、全てにおいて孤立する。暴力だって、許されるようになる。
教師は見て見ぬふり。友達だった人も、見て見ぬふり。じゃあ僕はどうすればいいんだろうか。誰に手を伸ばして、どうやって生きればいいんだろうか。
ああ本当に、どうしようもない日々だ。
どうしようもなくて、明るむ空に震えて。そんな日々が、早く終わることをいつも願っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます