記念日は陰に

「誕生日プレゼントにこれを貰ったの」


子供の頃、周りの女の子達はいつも可愛い物で溢れていた。

私は誕生日プレゼントを貰った記憶がない。

可愛い小物やお気に入りの何かなんて、何もなかった。


ただ必要な、安い、どうでもいい、お下がりの、オマケの、貰い物の、が付くものしかなかった。




「サンタはいつまで信じてましたか?」


一度、靴下を枕元に置いてみた事があった。

朝起きたらそのままだった。


私にはサンタなんて最初から存在していなかった。




この家には特別な日はない。

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