レビューの☆の数が足りない!
と、初読の感想はそれでした。
主人公・古賀まなみは、地方から都会へ越してきた女子高生。
転校前日、道端で遭遇した金髪男子にキュンとしちゃうーーちょっとチョロめな一面あり。
まなみはひょんなことから、転校先の高校の軽音部に顔出しすることになります。
音楽なんて、ちゃんと興味を持ったこともなかったまなみ。
こんな私がここにいていいの!?ビビっていたのも束の間、あれよあれよと潰れかけの「軽音部」へ巻き込まれることに。
オシャレなひねくれ中学生、パリピなギラギラ大学生、ツンツンしたバイトの先輩。
そして、もっさりおっとりの同級生「高島俊人」。
鮮やかな彼らの中で、自信のなかったまなみが少しずつ変わっていきます。
平凡な、しかもぼっちのサビシイ女子だったまなみに親近感を覚えながら読み進めていると、あら不思議。
いつのまにか、読者もちょっとだけ、自信をもらっています。
ちょっとだけ、日常がキラキラして見えてくるんです。
ちっぽけでも、好きなものを追いかける彼らは「カッコイイ」。
ベタな文句ですが、これがすっと心から納得できちゃうんです。
物語の中でまなみは、巻き込まれる人から「自分で足を踏み入れる人」に変わっていきます。それが、些細でも鮮烈で、劇的で、気持ちいい。
鳥肌が立ったり、涙腺が緩んだり、読者の心を根底から揺さぶられるストーリーです。
さらに音楽初心者の視点なので、楽器や機材について全然知らなくてもわかるように書いてあります。優しい!
少しの自信を持って、足を踏み出したところに世界は開ける。
明日の私は今日よりちょっとカッコイイかもしれない。
そう思わせてくれるバンドが、from tale beginsなのです。
ーー「物語から始めよう」ーー
ロマンチックなキャッチコピーに誘われて、ぜひ一度ページをめくってみてください!