Everlasting Desire ~運命の鳥籠と少女の想い~

胴長ルカ

プロローグ 悠久の残花

 燃え盛る街の中、巨大な黒い鎌を手にした少女は双剣を持って座り込む少女を見下ろしていた。

 街を焼く炎の轟音や人々の悲鳴は耳を塞ぎたくなるほど大きく、響き続ける。けれど、二人の少女はそれを気にも止めない。まるでこの二人だけが別の空間にいるのではないかと錯覚してしまうほど、街に響く音から彼女たちは遠かった。

 双剣を持った少女の膝の上には幼い子どもが横たわっていた。鎌を持った少女を見つめる瞳に浮かぶ感情は恐怖であり憎悪であり嫌悪であり憂いであり悲哀だろうか。とにかく、あらゆる負の感情を双剣を持った少女は宿していた。

 どれだけの時間がたったか。ほんの数秒だったのかもしれない。しかし、鎌を持った少女はこの時間が永遠に続くのではないかと思ってしまうほどに停滞を感じていた。やがて鎌の鋭い刃が双剣の少女の首元に近づき……。

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