ボケナス冒険記
アキノリ@pokkey11.1
第1話 理不尽過ぎて
例えば、この様な話があったとする。
ただでさえボッチで上手くいってない人生でそれでも理不尽だと言うのに。
唐突に背後から見知らぬ女神に撲殺される理不尽。
さて、これを見ているそこの貴方はどの様な行動を取るだろうか?
多分、こうなると思う。
俺の様に、暗い部屋の中で大暴れという結末を、だ。
いくら俺に特別に力を与えるとは言え最悪すぎる。
「お前、マジでふっざけんな!!!!!テメーのせいで死んだんだぞ!生き返らせろやぁ!!!!!」
「アンタは運が無かったのよ!!!!!異世界に転生しなさい!!!!!」
「何を言ってんだぁ!!!!!」
俺、飯田健介、16歳。
かなりの凡人、黒髪、中肉中背(身長168センチ)。
そんな俺の死因は撲殺だ。
撲殺ってどういう事かって?
別に強盗に襲われたとかそういう事じゃ無い。
そして、犯人は人間じゃ無い。
簡単に言えば犯人はかなり可愛い顔付きの銀髪、悪魔女神(ミーシャ・クロウ)。
死人を導く者に殺された。
さっきは理不尽と言ったが、やはり理不尽どころじゃ無い。
「あまりにも.....最悪だ!」
「この世界の魂の均衡を保つ為よ!仕方が無いでしょう!魔王倒して生き返ったら良いじゃ無い!」
「お前、それで他の奴らも殺した訳じゃ無いよな!?」
こんなふざけた事があってたまるか!
俺は絶対に異世界に行かないぞ!
その様に思いながら。
俺は全てをボイコットする決意をした。
「.....出口は何処だ.....駄女神!」
「駄女神とでも何とでも言いなさい.....私は貴方を異世界転生させるわ!全ての均衡の為にね!!!!!」
「.....このクソ野郎.....!」
駄女神の胸ぐらを俺は掴む。
コイツは撲殺した挙句に俺を異世界転生させようとしている。
こんな異世界転生なんぞ夢にもみてなかったわ。
絶対に許さん。
俺は異世界転生はしない!!!!!
「.....今すぐに俺を蘇らせないとエッチな事をするぞ.....良いのか!良いのか!!!!?」
女の子にそんな事は言いたくは無かったが。
最大の脅しになる筈だ。
俺は#マークを浮かべて、指を艶めかしく動かし、脅す。
そんな駄女神は胸元を隠す様な仕草を取った。
それから赤面で俺を睨んでくる。
「く.....でも、良いわ.....それで異世界転生するなら触りなさい.....!私はそんな脅しには屈しないわ!変態!」
「.....このクソアマ.....!」
俺は赤面する。
なんてこった痴女め!
俺はその様に思いながら、艶めかしく動かすのを止めた。
くそう、絶対に有り得ない。
童貞も捨てずに異世界転生なんぞ!
思っていると、腕と足を束縛された。
魔法か何か知らないが。
「.....ふふふ.....童貞.....そろそろ異世界転生しなさい!」
「.....クッ.....!」
怪しげな笑みを浮かべ、束縛を続け。
魔法陣を浮かべた。
そして、ナ○トの忍術みたく何かを唱える。
俺は足を必死にもがかせる。
だが、あまりに頑丈で腕も足も何も起こらない。
「.....さぁ!準備は整ったわ!異世界転生するのよ!」
だが、必死にもがいていると腕の枷が外れた。
相手はまだ、枷が嵌った状態だと思っている様だ。
魔法陣は光り輝く。
そんな中で俺は汗を流しながらニヤッと笑う。
「.....駄女神!お前の負けだァ!!!!!」
「.....へ?」
俺は駄女神の足を引っ張る。
そして無理矢理、魔法陣に引き摺り込んだ。
その際、駄女神はすっ転んだ。
赤色のシマシマのパンツが見え俺は赤面する。
それでも力強く引っ張った。
「何すんの!?止めなさい!」
「そりゃこっちの台詞だ.....!お前も転生するぞ!!!!!許さない!」
「きゃあ!童貞に殺される!」
何を言ってんだこのアホ!
俺を理不尽に殺したくせによ!
最早殺すとか関係有るか!
ギュウウウン!!!!!
「行くぜ駄女神!」
「きゃあああああ!!!!?」
そして。
俺達は暗い部屋から。
異世界へぶっ飛んで行った。
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