第2話

君と出会ったのは、桜が満開だった季節。

入学式…

正門では、これから勉学を共にする仲間達が大きく咲いた桜の前で写真を撮っていた。


俺は…


苦手だった。

人も、写真も、桜も……


「桜なんか、大っ嫌いだ…」


そう呟いたのだって、別に構って欲しかったわけじゃない。ただ、自分を肯定する何かが欲しかった。ただ、何か言わなきゃ不安で押しつぶされそうだったから…


俺は桜が大っ嫌いだ…


春=桜


この関係を全日本が認めているのが、嫌だった。


別に、春に咲くのは桜だけじゃない。


パンジーだって、オオイヌノフグリだって、タンポポだって、チューリップだって咲くじゃないか…



なのに…


校長や教育委員会の話はいつも


『校庭の桜が皆さんを迎えるように…』


桜だった…


「はぁ…」


「ねぇ、校長先生の話…長くないw」


コソッと横を見てみる…


そこには別の女子と話してる君がいた


わかるわ〜なんてコソコソ話しながら笑っている彼女達…


幸せそうだった


新しい学校


新しい仲間


といっても、3つの学校から集まってくるこの中学…


別に新しい友達が増えたからといって、友達が出来るかどうかなんて悩む必要はない…


1学校35人程度だから同じクラスには同じ学校の生徒が12人程はいるのだ。


だから多分、君と一緒に喋ってた女子は君の元クラスメートなんだろうなぁ。


俺は…



1人だったけど。



別にイジメがあったわけじゃない。


ただ、嫌いだった。



嫌いなものを避けるのは人間の習性ってやつならまさにその通りだと思う。



だから友達は作らなかった…



なのに…


君は…





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