第4話 発達外来にて
かかりつけの小児科は、上の子も下の子も、赤ちゃんの時から予防接種やアレルギーなどでお世話になっている個人病院です。
1才半健診から言葉の遅れで、半年ごとに市のフォロー健診には行っていましたが、小児科でその事を相談した事はありませんでした。
何故なら、上の子も1才半健診で言葉が出ず引っかかったものの、2才を過ぎたらベラベラしゃべり始めた経験があったからです。
それに加えて下の子は、目が合わないとか名前を呼んでも振り向かない等の気になる点がなく、むしろ愛想の良いタイプ。
変わった遊びをするでもなく、取り立てて違和感もない。
言葉で返事はなくても私たちの言う事は理解していて、コミュニケーションは取れていたので、言葉の遅れをそこまで深刻に考えていませんでした。
診察室で、今日はどうされました~?と聞く先生に
「いつものアトピーの事と、言葉の遅れで幼稚園に入れなくて発達検査を受けたので…」
と切り出すと、先生はとても驚いて
「言葉の遅れ?幼稚園に断られたの?!この子、発達の観点で全然見てこなかったから、気付かなかったんだけど…」
と言いながら、カルテをパラパラめくりました。
普段の診察で発達で気になる点があれば、カルテにメモしているそうです。
発達検査の結果を読んで、下の子と少しやりとりした先生は、すぐに診断できるものではないんだけど、と前置きした上で
「確かに発音がものすごく不明瞭だね。口の動きがうまく発達していない。これは構音障害と言えます」
「運動面の遅れは、発達性協調運動障害といって、いわゆる発達障害の人が持つ不器用さ」
「目はしっかり合うし、やりとりもしたがる。他人に関心はあるから、自閉は薄いかも知れないけど…」
今すぐに診断はできないけれど、何らかの発達障害を抱えていると言えます。
そう言われました。
こんなに愛想よくて、やりとりに違和感のない発達障害児もいるんだ…
発達障害の乳幼児=あやしても笑わない、目が合わない、名前を呼んでも振り向かない、人に関心が薄い
そんな前知識が、一気に崩れた瞬間でした。
私は子ども達の発達に関しては、おそらく他のお母さん以上に注意を払ってきた方だと思います。
それは言葉の事だけでなく、特に下の子に関しては気がかりが2点、あったからです。
妊娠中に救急車で搬送された日から、ずっと心に引っ掛かっていた、気がかりが。
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