たどり着いた異世界は私の見ている夢だったので、寝たり起きたり24時間やすめません ( 仮 )

たちばな わかこ

プロローグ

 なにがあったのかな。

 うっすら思い出すのは、こちらに向かってくる軽トラ。

 いや、私の1メートルくらい前にだから、一歩下がれば避けられる。

 でもそこにはB型ベビーカーを押すおばあさんがいた。

 突き飛ばしてもいいけれど、こちらに引き寄せた方が確実に助かるんじゃない?

 だからそうした。

 私もおばあさんも赤ちゃんも、助かるはずだった。

 助かるはずだったの。

 なのに・・・。


 なんで白い部屋にいるのかなっ!


「これって、アレだわ。異世界転生するやつ。神様にいろいろレクチャーされるのよね。で、チートもらって赤ちゃんになるの!」

「・・・なんないって」


 速攻ツッコミが入った。

 私の前には綺麗な赤毛の同年代の少年。

 私は椅子に座ってる。


「残念だけど、異世界転生してないから」


 いやいや、どう見ても異世界転生でしょう。


「違うし。大体、君、死んでないからね?」


 え、私、軽トラにはねられたんだよね?

 んでもって、死んだから白い部屋にいるんだよね?


「だーかーらーっ! 君は死んでないのっ! 生きてるのっ! これは君が見ている夢なんだよっ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る