ヲタクの休日

悠里 陸奥

第1話

ピピピピッピピピピッ


雀の鳴く声、朝を告げる目覚ましの音、窓から差し込む日差し……


「あーもう朝かぁ……起きたくねぇ」


時計を止めることさえ億劫になり、もそもそと布団の中に潜り込む


「おーい、朝だぞー!起きろーいつまで寝てるつもりなんだよー!ねーぇ」


聞いたことのある明るい声、ゆさゆさと僕を揺する小さな手。


「うん……うん。今起きるから……」


言葉と共に伸ばした手は、彼女に触れることなく時計を止めた。



「……ん、あれ?」


そこに少女の姿はなく、また起きる寸前まで夢を見ていたんだと少しガッカリしながらゆっくりと起き上がり布団を畳んだ。

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