第692話 アイカとシルフィー(8)

 やはり、ジャポネ、だけではなく二国の女王陛下と呼んだ方が相応しい立場であるシルフィーに対して、女王アイカは悪びれる訳でもなく。相変わらず苦笑を浮かべ悪態をつくのだ。


 それも顔は緩めているが、ジャポネ女王シルフィーと一緒で、大変に恐ろしく、冷たい目で、彼女を睨みつけるのだ。


 だから二人の妻の間に立つような立場になった。立ってしまった健太は、自身の顔色を変え。


「ちょっと待ってよ。二人とも。僕の前で喧嘩をしないでよ。お願いだから。頼むよ。シルフィーとアイカさん」と。


 相変わらず、というか? 自身と対峙、睨み合いを続けているシルフィーのことなど気にもしないで、夫に馬乗り状態、跨っている女王アイカとシルフィーを交互の見詰めながら健太は、争わないで欲しいと、嘆願をする、だけではないのだ。


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