第641話 逃走?(2)

 己、自身の妻、妃だって此の国の女王アイカを自身の最大のライバル、宿敵ともいえる男、ウォンにNTR、寝取られた……。でも女王アイカは違う。交わってはいないと断固否定したから。そこまでは至っていないのかも知れないが。


 それでも彼女、女王アイカがウォンに寝取られる寸前までは、己の気を許し、健太以外のオスに、己の艶やかな唇と肢体を許し、嬌声を漏らした事実は間違いないし。彼女の夫である健太も聞いたし。女王アイカとウォンが優艶に戯れているおぞましい姿、様子も健太に凝視、確認をされているから言い訳などできる。できない立場へと女王アイカは追い込まれたのだ。


 だから彼女は、動揺、困惑、慌てふためいてしまい。咄嗟に彼に、夫に『すいません』、『ごめんなさい』、『あなたゆるして』、『これは、これは、私の本心ではないの」、『只魔がさしただけだから。許して、お願い。あなた……』と、健太に謝罪を告げる。申す訳では無く。


 自身の元カレ、婚約者、主、夫かも知れなかった男、ウォン。ウォンに対して、急に現れた男、オスから守って欲しいと、咄嗟に彼。ウォンの背に隠れたことから始まった。健太の女王アイカへの落胆、恋、想いが薄れて。薄れてしまい。


 離別、離婚、別れとなったのだが。彼女、女王アイカはそのことに気がついているのだろうか?


 まあ、その辺りは取り敢えず置いておいてと。


 まあ、そう言った経緯(いきさつ)、経緯(けいい)があったから。此の国の男王だった健太は、此の国の象徴、セックスシンボルである女王アイカをウォンへと『もう彼女に愛想つきたからいらない。ウォンさんが欲しいのなら返すよ』と、オーク漢戦士最強の漢との再戦をせずに。女王アイカをあっさりと健太はウォンへと返却。そのまま、此の国を捨てて逃亡をしている最中なのだが。





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