第636話 ウォンの誤算……(30)
「……私はウォン、貴方の妻ではない! 健太の妻だ! だから貴方と交わる気もなない。ないから離して! 離してよ! ウォン! それに? 私の胎内に貴方の子を宿し。産み、育てる気も私はさらさらない。だからウォン! 今直ぐ私を! 私の事を解放しなさい! ウォン!」
自分は、女王アイカ自身は、身も心も。
この官能、艶やかな肢体は、ウォンの物ではなく。前王……。家出、己と国を捨てた少年王である健太。健太の物だから、駄目だ! 嫌だ! 離せ! 離れろ。
そう、先程からアイカ自身が何度も愁い、嘆いている通りで、彼女はここで、自分を捨てた夫を待つのだと。
「ウォン! 離せ! 離せ! 私の腕を離せぇえええっ!」、
「離せと、女王である私が申しているだろうに~! 貴様には、私の声が聞こえぬのかぁあああっ!」と。
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