第633話 ウォンの誤算……(27)
そう、前男王である健太から己の持つ武と力。勇んだ勇士と凛とした威厳と容姿。勇敢さで、此の国の男王健太から。此の国と此の国の象徴である女王アイカを手に入れた。と、いうよりも?
彼、ウォンの場合は取り返したと言った方が良いかも知れないね。元々彼が、此の国の漢王になり。女王アイカの主、夫になる予定……と、いうか、だったのかも知れないのだから。
だって前男王? 今男王なのかわからない健太自身も『元々ウォンさんが、此の国の漢王だったのだから。アイカさんは返すね……。二人ともお幸せに……』と、告げて。ウォンと女王アイカの前から逃げる。逃走するかのように立ち去り消えてしまった訳だから。
ウォンは、自身の武と力で臆した前男王健太から。自分の財産を再度取り戻した。取り返したと思っていた。いたはずなのに。
当の本人である女王アイカは、こんな感じで泣き崩れて……だけではなく。彼女は、ウォンへと今更のように。
「いやよ。いやよ。離してよ。ウォン。私はあのひと。健太のこと……。家のひとが帰ってくるのをここで待つから離してよ。お願いだから……」と、泣き喚く。この場を動かない。動じないものだから。ウォンは本当に困ってしまって仕方がない。
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