第630話 ウォンの誤算……(24)

 ましてや、遙か遠く。と、いうよりも、少しばかり遠くではあるのだが。自分達の大変に良い目、瞳、視野に入る範囲で、【慈愛の女神さま】のように、己の顔を悲痛な表情。目まで潤ませ垂らしながら白旗を持ち、騎乗して佇む、妖艶、官能的な色の肌を持つ女神さま……。



 そう、ジャポネの女王シルフィーの娘であるサラが嗚咽しながら佇んでいる姿、様子が。此の国の漢領主に酋長、族長や漢兵達には見て確認できる。できるからね。彼等は、女神サラの慈愛、救護を求めて。


「うわぁあああっ!」


「サラぁあああっ!」


「助けてくれぇえええっ!」


「お願いだぁあああっ!」と。


 此の国の漢達は、と、言っても、此の国の、オークの漢戦士達皆が、ウォンが恐ろしい。女王アイカこそ、俺さまの永遠の嫁、アイドル、セックスシンボルであり自慰の対象。拝み、奉り。従うべき女神、シャーマンさまだと思っている訳では無いからね。此の国もそうだが、ジャポネ、他の国、比の国にもそれぞれ、オークの男達が、女神、女王、主さまと拝み、奉り。従うべきセックスシンボルは居る訳だから。オーク種族の漢達は、各々が想い慕う。アイドルさまに従って行動をしいるのに、女王アイカがこの様……。情けなく。惨めな様子だから。彼女を見限り。逃亡を計りだす者も増えてくる。


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