第440話 サラの出生の秘密……(27)

 そんなサラ(沙羅)の様子を凝視しながら、母であるシルフィーは言うと~?


 彼女の夫である健太との、禁断の関係にある、娘の沙羅のことを蔑み、嘲笑う態度……ではなく~?


 これといって気にした素振りもみせずに。その場でへたり込んで泣いている娘に対して。


「サラ~。貴女が~。健太(あのひと)の妻になっていることに対して余り~、自分自身が大罪を犯し者だと罵り、諫めるようなことはしないほうがいいですよ~。この世界は広いのですから~。健太(あのひと)が産まれ育った国も含めてだけれど~。沙羅(貴女)のように、実の父と交わり、妃になった女性(もの)達など~。過去含めいくらでもいるのですからね~。特に沙羅~。貴女の場合は~? 今日と言う日迄~。健太(あのひと)が自分の父だと知らなかった訳ですし~。知っている私(わたくし)自身も~。今の今迄~。沙羅(貴女)達二人の様子~。夫婦らしい様子に関しても~。母は、素知らぬ振りをしてきたので~。気にしなくてもいい~。只この二人~。一輝と勇人は、貴女の実の兄だと言うことは認識してください~。分かりましたか~? 沙羅~?」と。


 母であるシルフィーは、その場で泣き崩れる、自身の娘沙羅に対して。彼女のように、蔑み、侮るような態度をとらずに、いつものシルフィーらしい。女神のような振る舞いで、優しく沙羅へと説明……。


 そして~? エルフの美青年二人……。一気と勇人を沙羅自身の実の兄だと認めるようにと告げる。



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