第439話 サラの出生の秘密……(26)

 だって~? サラ(沙羅)が今迄自身の母であるシルフィーのことを、夫がいるにも関わらず。淫らでふしだらな気の多いい、最低な女性だと思い込みサラ(沙羅)は、実の母を蔑み、侮り、嘲笑い続けてきたのに。実は大変に淫らでふしだらな女性は、母のシルフィーではなく。実の父と禁断の恋に溺れ、妃にまでなっている自分自身だと気がつき泣き始めるのだが。


 それでも彼女は? 自身の夫である健太と別れることはできない。


 だから母であるシルフィーに対して、彼女は泣きながら。


「母上~。今更沙羅に~。健ちゃんと別れるようにと告げ、諫めてきても~。もう無理ですサラは~。いくら健ちゃんがサラの父上であるとしても~。健太(あのひと)以外の男性(者)と沙羅は~。添い遂げる気はありませんから~。いくら健太(あのひと)が他界をしたとしても~。絶対に別れませんから~。沙羅は~。母上~」


 と、嘆願をするのだ。いくら自分達妻を捨てた王が躯になろうとも。サラ(沙羅)は、実の父である健太との、禁断の関係を終始することはないのだと告げるのだよ。


 それも~? 気が触れた女性のような悲痛な声色で告げる。



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