第437話 サラの出生の秘密……(24)

 この辺りは流石、賢い健太やシルフィーの遺伝子を持つ娘のサラだと。我等も遠目から彼女のことを凝視しながら想う。


 だってサラは~? 未だ母であるシルフィー自身の口から。


『サラ~。この二人はね~? 貴女の兄~で、健太(あのひと)の実の息子なのよ~』と、聞かされた訳ではない。


 なのに~? 彼女は~? 母であるシルフィーの説明を聞き、見て──。瞬時にこれだけのことを思い悟るのだからたいしたものだよ。


 と、我等が思うと同時に? サラ(沙羅)自身は、母ではなく。自分自身が大変な大罪……。自身の父を愛して、妃となる罪を犯していることに対して思案を始めだすのだ。


 こんな感じでね~?


(ど、どうしよう~。サラは~。本当に大変な大罪を犯している~。それこそ~? 他人には言えないような~。大罪……。自分の父上である健ちゃんに恋をして妃となり尽くしてきたサラだから……。これから先サラ(沙羅)は、一体どうしたらいいのだろうか~? 今更健ちゃんのことを忘れろと母上に言われても~。もうサラは無理だよ~。だって~、サラのこの身体(肢体)はもう既に、健ちゃんの所有物であり~。財産なのだから~。今更母上に、健ちゃんが帰宅したときには二度と逢わないでくれと告げられてもサラ自身も困るよ~。だからこの先サラは、一体どうすればいいのだろうか……?)


 と、動揺しながら思う。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る