第158話 第2章 前書き(1)

「ふぅ、今日もいい天気だ! よーし! 今日もお仕事がんばろう」


 この小さな国、集落の神殿の出口から少年の声音で朝の天気の良さを歓喜する台詞が今日も聞こえてくる。


 そう、こんな小さな国、集落なの男王なのに少年健太には沢山のお妃様がいるから彼がいくら人種の少年であろうともオーク種族の、習わし通りのにのっとり彼がいくら男、夫であろうとも自身のお妃様達の汚れた衣服と下着を洗う。にならないといけないのだよ。


 この世界が彼の産まれ育った


 だから少年王は昔話のおじいさんは芝刈りにいくのではなく、おばあさんになって川へと手洗い洗濯を今日もしないといけないのだよ。


 この世界には洗濯洗剤や柔軟剤と呼ばれるは存在をしていないのに可愛い少年王は、自身のお妃様の為にと川で洗濯をするのだ。


 自身の美しいお妃様の一人……。次世代の国の女神様だと誉れ高いプラウム嬢が真心込めて編んだ大きな籠を両手で抱えながら。


「よいしょぉっと……。さてさていくか」と。


 健太は独り言を漏らすと神殿の出入り口の手前にある階段を使用して道端へと降りていく。


「健太ー!」


 健太が階段を下り終え歩行を始めだすと彼を呼ぶ女性の大きな声が聞こえてくるから彼は、声が聞こえた方へと視線を変え──。


 健太は自身の瞳で声の主を確認すると。


 声の主の女性は満身の笑みを浮かべながら手を振り健太に歩み寄ってくるから彼の口は自然と開いてしまい。


「あっ、アイカさん……」と。

「今日も朝のお勤めご苦労様です」


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