第149話 あとがき (12)
「はぁ、何を言っているの、貴女達。わらわだって只今健太とは離別の最中だったからもう長らく床を一緒にしていない状態だから今晩は健太に。家のひとには夜伽を頑張ってもらわねば困る……。だ、だから無理だ。こんなにも大勢の者達で家のひと。健太に夫の役目を果たせと申されたら困る」と。
女王アイカは最初は怪訝な表情で不満。でっ、最後には自身の顔と耳を紅潮させながら照れ恥ずかしそうにしどろもどろとウルハとヤンキー姉ちゃん達へと不満を申すのだが。
ウルハを筆頭にヤンキー姉ちゃん達は傾奇者であり不良だから。いくらこの小さな国、集落の女王、酋長から駄目だ! 無理だ! の下知、諫めが出ようとも彼女達は素直に耳を傾ける訳ではなく直ぐに反抗、不満を漏らすのだ。
それが傾奇者、ヤンキーと呼ばれる者達のポリシーなのだから。
「アイカー! 後でうちらが皆で性のつく芋か根っこ。木の皮を集めてきて家のひとに飲まし、夜頑張れるようにしてやるからさ。なぁ良いだろう。アイカ? なぁ頼むよ、長お願いだから」と。
ウルハは予想に反して自身の両手を合わせ、男王健太の妃、序列一位のアイカのことを今度は立てるように嘆願を始めだすのだ。
ちゃんと自分が只今置かれている地位と立場を考えながらウルハは女王アイカのことを健太の妃の一人としてちゃんと立てるように嘆願を始めだすから。
女王アイカを含めこの場にいる者達……。
まあ、只今蘇生魔法を他界した夫健太へと施していることに陶酔しながら堪能しているシルフィーだけは別としてアイカ姉妹とヤンキーの姉ちゃん達、お嬢さま達は一斉に目が点! 唖然としながらいつも誰に対しても臆することなく生意気、タメ口なウルハが珍しく酋長へと手を合わせ、頭を下げるものだから。
この場に集っている健太の妃達は驚愕してしまう。
まあ、してしまうのだが。
それでも女王アイカも自身の可愛い夫健太と床を一緒できない。抱き枕にしながら甘え睡眠をとることが出来ない日々が続いてから。
『うん、分かった!』と。
この小さな国、集落の女王、酋長らしく凛と勇ましく寛大な処置をとると言うことをする訳はないからね。
だって女王アイカはみなも知っての通りで嫉妬心と独占欲の強い女性……。デレデレ仕様の健太のお妃さまだから。
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