第3話天音プレゼンツ! 映画館
バスに乗り込むという天音さんについて行くと近くのバス停にやって来た。
商店街前のバス停留所でバスを待つこと10分、バスがやって来たので乗り込んだ。
バスの中には人が大量に乗り込んでいてエアコンが効いているのかわからないくらいである。
「天音さんよ、このクソ暑いバスでどこに行くんだ?」
「大丈夫です。すぐにわかりますよ。次の停留所で降りますから」
次の停留所はどうやら大型ショッピングモールのすぐそばだ。
「天音さん……まさか?」
「はい。映画館に行きます」
「天音さん……聞いていなかったっけ?今僕そういう気分じゃないって……」
「そういう気分じゃなくても行くんです。暑いでしょう?」
「どういう理由なのだ……」
「まあ文句は言うな矢田氏よ。元はと言えば君が怒るから……」
「お前、本当に頭一回打って死ねよ」
「全く物騒だなぁ君ってやつは」
言い争っていると停留所についてしまった。
人混みを押しのけて金を払うとバスから降りた。
バスから出たらやっぱり暑いバスの中はまだ快適だったのだと理解した。
映画館はこのショッピングモールの四階に映画館があるのでまずはそこまで渋々と上がっていく。
ショッピングモールなんてろくに来ない僕はこういうところに来ると押し黙ってひたすら早足で歩いてしまう。
おかげで買い物なんてできない。別にコミュ障というわけではないのだが、こういう大型ショッピングモールは苦手なのだ。
映画を観たくない理由の一つはそれなのだ。
なら他の映画館にと思うだろうがこの街にはここしか映画館ないのだからここに行くしかないのだ。
「さて、何観ましょうか?」
「恋愛映画は勘弁だ」
「なら矢田さんが好きそうなこの映画にしますか」
超大作SF映画、スーパーノヴァ2……うん?2だと!
「ま、まさか」
「おー食いつきましたね!実は今日公開なんですよ。普段テレビをあまり見ていない矢田さんは知らなかったですかね?」
「ああ。まさかあのスーパーノヴァの続編が公開されていようとは!」
そうか!天音さんはこのことを知っていて映画館に来たのか!
「見ますか?」
「当然だ!」
「まあ、よく勉強することだな矢田氏よ!」
「山吹は黙ってろ〜」
「なんだトォ!」
僕は奇跡的に空いていた当日券を三つ買うと映画館の中へと入っていった。
勿論、ポップコーンとコーラを買ってな!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます