番外編④前編
12月○○日今日も誰も怪我や病気なく過ごせました。
とあの日からもう大分経つな……そうあの日から
そうあの日僕達の家族が1人消えたそんな事なんか
テレビやドラマの中だけだと思っていたが実際に起きた……
おはよう角行お兄ちゃん
朝の知らせにふさわしいそんな声が居間から聞こえてきた。その正体は小学4年生の妹の桂子の声だった
んっおはよう
僕は台所で朝食の準備をしながら空の挨拶をした
お兄ちゃんは?
えっお兄ちゃん?まだ寝てるよ
はぁ〜悪いけど起こしてきてくれる
当たり前の様に返す妹の返事は毎朝の日課になりつつある。はぁ〜とため息を着いたものの予想はしていた
そして弟を起こしに行ってもらうそれも日課になりつつあることでもある
うんいいよ!
と承諾し妹も何の疑問もなく弟の方へとドタドタとかけて行ったかと思えば直ぐに足音はこちらに向かって近づいて来た
そうだお兄ちゃんメリークリスマス
あぁメリークリスマスでも明日だろ
僕がそう返すと
いいのだってクリスマスイブだもん
ニカッととびきりの笑顔をみせて弟を起こしに走っていった
朝食を机に並べ終えた頃目を擦りながら弟も起きてきたそして家族揃っての朝食を食べ始めた
ねぇお兄ちゃん今年もクリスマスパーティーやるの?
突拍子も無く尋ねてきた
聞くにしてはあまりにも遅い気もするがあぁやるつもりだよお兄ちゃんの時からやってたしね
やった〜やるんだと嬉しそうな表情を浮かべ喜んでいた
じゃあお兄ちゃん早くパーティーの準備しないとねとウキウキに言葉を発する
でもパーティーは明日だぞ
うんでも一日でも早くパーティーしたいから
と言う妹見ると本当に楽しみなんだろうと思う本当ならクリスマスパーティー何てものはこの年頃だと友達とやる物だろう。だがうちの妹は違うたまに友達がいないのではないかと心配するが嬉しそうな表情を見ると本当に楽しみにしてるんだろうと思う
それでサンタさんに何おねがいするの?
ここで弟も会話に入ってきた
えっとねお兄ちゃんとお姉ちゃんに会いたいってお願いする。
妹の無邪気な願いだが僕と弟は凍りついたなぜなら兄は4年前に行方不明そして姉は最近亡くなってしまったからだ。
でもお姉ちゃんはもう……
弟が重い口を開いて言った
うん知ってるよ死んじゃったんだよね…
でももう一度会いたい会って本当の家族に戻りたい
その言葉に冗談は見えなかった本当の心からの願いなのだと思う勿論僕も同じ気持ちだ無くなって初めてわかる気持ちそれはこの家族全員が同じなのだと思う。
それじゃあ午後から飾り付けをデパートまで買いに行くか
弟がそういった多分この空気を変えようとして言ってくれたんだろう
妹もそうしようと言わんばかりに笑顔でこちらを見てくる
こうなっては仕方ないと僕も賛成し午後から買いに行くことになった
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