勇者到来編

13話

う〜〜〜ん

そう言いながら僕は身体を伸ばした昨日の気だるさが嘘のようにスッキリしている

よ〜し今日からまた頑張るぞ!

僕は一言そう言い自分に気合を入れた

少しすると誰かがドアをノックする音が聞こえた。


どうぞ

その言葉を言ったと同時にドアが開き小さな体を揺らしながら水と薬がのったおぼんを持ちながら僕の部屋に入ってきた。

お、体調の方はどうじゃ?

はい昨日と違ってとても元気です

お〜それなら良かったのじゃ

あの昨日は色々とすいませんでした

いや気にすることでもない

と耳をピクピクさせながら少し恥ずかしそうに笑顔を見せた

まぁ元わといえばわしがお主に無茶をさせたからじゃしのもっとお主の身体の事を考えてやれば良かったの、と耳を垂らしながら少し顔をうつむかした。

いえ僕も好きでコリアさんと一緒に僕の世界の事を勉強してましたし美味しい美味しいと言って僕の料理を食べてくれたのは嬉しかったですから

そう言って貰えると助かるのじゃ


ほらこれ薬じゃ治ったからと言って油断するといけんからのちゃんと飲むのじゃぞ

と少し強めに言った


はいわかりました

うむ良い返事じゃ



あ、リグル元気そうで良かったよ

はい色々ありがとうございました

ううん私こそあの抱き枕ってやつ?とても良かったよ。

もうつかってくれたんですか?

うんとっても良かったでも今日は使えなかった

どうしてですかもしかして中の綿が出ちゃったとか?

ううん違うよ今日はコルビスが使ってた

そうですか、壊れてなくて良かったです。

だけどコルビスあの抱き枕離さなくって・・・

それじゃあコルビスさんもあの抱き枕気に入ってくれたんですか!

うん交互に使う事になったと少し残念そうな表情を浮かべ言った

ならもう1つ作りましょうか?

え、いいの?とうっすらと笑顔を浮かべながら聞いてきた

はいまだ材料は残ってるので作れますよ

よかったコルビスにあの抱き枕取られそうだったから・・・・・・でもいいの?

なんですか?

リグルは私に抱き枕を作ってくれたから風邪ひいちゃんたんでしょ?また作ったらしんどくならない?

はい大丈夫ですよ僕の風邪はとっくに治っちゃいましたから

そうならお願いしちゃおっかな?

はい任せてくださいそうと決まればこんなにゆっくりは出来ませんね早速取り掛からないと、という訳なので僕はこの辺で失礼しますね

それじゃあ

でも無茶はしないでね〜

はいわかりました

と僕は自分の部屋へと駆け足で戻った



次の日



コルビスさ〜ん

おっ元気になったってキューラから聞いてたけど本当見たいだね〜

たしか今日元の城に帰るんだったよね

はいなのでこれ

これって抱き枕?だよね

はいキューラさんから抱き枕を2人で使ってくれているって聞いたので昨日一晩で作りました

残ってた材料で作ったので前より少し小さいですけど

ううんありがとう嬉しいよ

キューラったらそんなこと言ってたんだ病み上がりなのにごめんね

いえ良いんです僕は1日休んで元気になりましたし、メリアさんから聞いたんです僕が風邪で倒れてる間僕の代わりに仕事やってくれたって聞いたのでそれのお礼も兼ねて

え〜良いのにそんな元はと言えばうちのあるじが寒い山道を高速でとんで連れ去って来たのも原因だと思うしうちのあるじの尻拭いしただけだから。でもありがとう1回どんなのか試してみたくて使ってみたけど思った以上に良かったからさ嬉しいよ本当にありがとね

いえ喜んでもらえて嬉しいです

も〜だからそんなにかしこまらなくっていいからタメ口でいいよ

そう言えば皆の所には行ったの?

いやまだですじゃなくてまだで

後はデイルさんの所には行けてないんです

それじゃあ魔王様の所には行ったの?

はい

魔王様の所に行ったら

リグル!もう体はいいんですの?

はいもう元気になりました

パァァァとマライの表情が明るくなった

そ、そうですのならば良かったですわ

と喜びに満ち満ちた顔をシュッといつもの冷静な顔に戻った

あのメリアさんもご心配かけてすいませんでした。

いえ、とりあえず元気になったのなら良かったです。

あとそれと昨日の言葉凄く勉強になりました。

そうですかメイドたるものあの位の事は自覚して欲しいものですがまぁ分かってくれたのであればわざわざ言ったのも価値ある事だった様で良かったです。って感じでしたよ

へ〜そうなんだメリアがそんな事を・・・

(言えないよね〜裏で少し言いすぎたんじゃないかって凄く不安そうな顔してたことは言ったら私の身が危ないだろうし)


でもリグル、デイル様にお礼言っときなよ

リグルがいつどんな状態になるか分からないからって夜遅くまで寝ないで枕元に居てくれたんだからね。

そうだったんですか!

じゃあ今からでもお礼を言いに行かないと

それじゃあ

うん行ってきな〜


あ、デイルさんデイルさん

おリグル元気になったのかい?

はいお陰様で

なら良かったよ

あのデイルさん一昨日は夜も寝ずに看病してくれてありがとうございました。

いいよ全然ほら頭を上げなよ

私の可愛いメイドだから病気をしたらしっかりと面倒を見るのがあるじである私の仕事だからね。


後今日は

はいわかってますよ今日あのお城に帰るんですよね。

その事なんだけどごめん先に帰っておいてくれないかな?

えっどうしてですか?

まぁちょっとね野暮用って奴だよ

そうですかでもなんで先に帰るんですか?

それならもう少しここに・・・

あ〜多分今あの城は大変な事になってると思うから・・・

僕は少し疑問に思ったが僕はデイルさんの事を信じて先に戻る事にした。


わかりましたでは僕は一足先に帰らせてもらうことにします。

あぁ多分大変な事になってると思うから色々頼むよ。


わかりました


お〜い馬車の準備が出来たぞ!

はい今行きます

それじゃあ行こうかリグル

はい


えっコリアさんそれにキューラさんや魔王様まで見送りに来てくれたんですか!


まぁしばしの別れにはなるがまたこの城に来る時も色々と教えてほしいのじゃ

はい僕で良ければ

リグル当分貴方を抱けないのは寂しいけどこの抱き枕を貴方の代わりと思って大事に抱きしめるからね。

はい

リグル長い別れになるかもだけど次会うときは一緒にお茶しようね。

はいその時は楽しみましょうね


リグル貴方と会えなくなるのは寂しいですがまたこの魔王城にいつでも遊びに来ても構いません事よ

はい絶対遊びに行きますね


リグルさんあの城に戻って私の目が届かないといってもメイドとして怠ることなく毎日メイドとして精進するように

はいここに来てメイドとは何たるものかを学びました。まだまだメリアさんの様に凄いメイドになる様に頑張ります。

いい心がけです。

あの僕はここに来て皆さんと過ごしてとても楽しかったですそれに色々学ぶこともあったり又皆さんと会える時を楽しみにしています。

本当にお世話になりました。


戯けまだわしらとお主が会えぬ訳では無い次はわしの方から会いに行こうかの?

名案だね私も貴方のいる城にいってそん時にお茶会しようね。

確かにいい案かも知れません貴方が向こうに行ったからと行って常日頃から手を抜かないか抜き打ちテストに行くのも良いかも知れませんね


あははその時はお手柔らかにお願いします。


ではそろそろ出発しても宜しいでしょうか?

えぇお願いしますそれとリグルに怪我をさせないように気をつけるのですわよ

わかりました

それでは少しの間でしたけどありがとうございました。

馬車が動き始め魔王城が少しずつ小さくなっていく様子を見える。ふとこれまでのことを思い出すとなんだか考え深い気持ちになりながら馬車に揺られて元の城へと帰るのだった。






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