第12話

(デイル)「リグルの様子はどうだい?」

(コリア)「ただの風邪じゃ今思い返せばリグルも結構無茶しとったからの疲れが出たんじゃ」

(デイル)「クソどうしてそんな事に気づけなかったんだどうしてもっと気遣ってやれなかったんだ」

デイルは壁を叩いてそういった

(コリア)「そう自分を責めるなそれを言うなればわしの方こそリグルに無茶をさせておった」

(メリア)「いえあなた達のせいではありません自己管理を怠ったリグルのミスです」

(デイル)「そんな言い方」

(メリア)「そしてリグルに自己管理を怠るなと指導する事を怠った私のミスです」

(マライ)「何をやっているのかしら早く仕事に戻りなさい」

(デイル)「どうしてリグルの事は聞いているだろ」

(マライ)「えぇ聞いているわ」

(マライ)「だからといって今あなた達に何か出来ることがあるのかしら?」

(デイル)「それは」

(マライ)「逆に疲れさせるだけじゃないの?」

(マライ)「ここはメイド達に任せて仕事をしたらどう?」

(コリア)「それもそうじゃな」

(デイル)「コリア!・・・・・・・・・わかったよ」






(リグル)「(あれ僕どうしたんだっけ?・・・・・・・・そっか僕倒れちゃったんだそれでデイルさん達がここに運んでくれたのかな・・・どのくらい寝てたんだろ)」

(リグル)「(あれ?誰かいる?)」

(リグル)「ってキューラさん?どうして」

(キューラ)「目が覚めた? 起こしたならごめん」

(リグル)「いえ大丈夫ですどちらにしろ起きてました」

(キューラ)「体調大丈夫?」

(リグル)「はいだいぶマシにはなりました」

(キューラ)「寒くはない?」

(リグル)「えっと少し寒いです」

(キューラ)「そう・・・なら」

といいリグルの布団をめくり中に入ろうとしてきた

(リグル)「えっちょちょ何してるんですか」

(キューラ)「正直私も悪いとは思ってるあの寒い中貴方を抱き抱えて北の魔王城まで飛んでもしかしたらあの時の事が風邪を引く原因になったんじゃないかと思って」

(リグル)「だからといってなんで僕の布団に入ってくるんですか?」

(キューラ)「コリアから聞いた君の国では寒い時と寂しい時は身体を寄せあって凌ぐって聞いたからだから」

(リグル)「えっちょ」

(キューラ)「ねぇリグル?」

(リグル)「なんですか?」

(キューラ)「あったかい・・・ね?」



(リグル)「身動きが取れない」

(リグル)「(完璧に寝てしまってる)」

(コルビス)「大丈夫かい?」

(リグル)「コルビスさん?」

(リグル)「どうして?」

(コルビス)「私メイドだし魔王様がメイドが看病しろって言われたから来たんだよ後この子引取りにね」

(リグル)「そうだったんですかすいません迷惑かけ」ゴホゴホとリグルは咳き込んだ

(コルビス)「ほらあんま無茶しない」

(コルビス)「あとこっちの方こそごめんねキューラの為に無茶させちゃってさ聞いたよコリアからキューラにくれた抱き枕だったっけ?あれを徹夜で作ってくれたって本当にこの子のためにありがとう」

(リグル)「いえ僕が作りたかったからでそんなに気にしないで下さい」

(コルビス)「本当にありがとうでも身体には気をつけてね?リグルはこの魔王軍には欠かせない存在になってるんだよこの子にも、もちろん私にもね。」

(コルビス)「さてこの子を起こすかな!」

(リグル)「(コルビスさんからそんなふうに思われていたなんてなんか嬉しいな・・・)」

(コルビス)「ほらキューラ起きなさい」

(キューラ)「私は今リグルの体を温めて」

(コルビス)「そんな事言って本当は寝たいだけでしょ!」

(キューラ)「そんな事ないよ」


(コルビス)「それじゃまた迷惑かけてごめんぬゆっくり休んでね」


(リグル)「う〜〜」

(コリア)「おなんじゃ目が覚めたか?」

(リグル)「コリアさん?なんでメイド服なんですか?」

(コリア)「いやぁなに魔王様がのメイドに看病させれば良いとそう言っとってのそれでじゃメイド服を着たら実質メイドと変わらんと思っての」

(リグル)「それは流石に無理があるんじゃ・・・」

(コリア)「まぁ良いではないか」

(コリア)「ほれ儂、特製のお粥じゃこれでも食べて元気出すのじゃよ。ほれあ〜ん」

(リグル)「大丈夫ですよ1人で食べられます」

(コリア)「まぁそう遠慮するな儂はメイドじゃぞほれあ〜ん」

(リグル)「あ、あ〜ん」

(コリア)「どうじゃ?」

(リグル)「お、おいひいれふ」

(コリア)「そうかそうかそれなら良かった」

(コリア)「ほらこれ薬じゃ水はここに置いておくから粥を食べ終わったら絶対飲むのじゃぞ」

(リグル)「あの、コリアさんありがとうございます」

(コリア)「いや気にせんでいい礼を言うのはこっちの方じゃいつもそちらの世界の事を教えて貰っておったしそれがお主の疲労を蓄積させた原因かもしれぬしのまぁ今はゆっくりと身体を休めて回復したらまたそちらの世界の事を教えて貰うからの」



コンコンと扉の叩く音がすると

(メリア)「失礼します」

と言う声が聞こえた

(リグル)「・・・・・・どうぞ」

(メリア)「ノックをしたら直ぐに返事をして下さい」

(リグル)「すいません」

(メリア)「と言いたいところですがこの状況では仕方がないですね」

(リグル)「あの僕の仕事は」

(メリア)「安心して下さい貴方と仲が良かった子やコルビスさんが代わりをやってくれています」

(リグル)「そうですか」

(リグル)「それでどうしてここにこられたんですか?」

(メリア)「あぁそうでしたねここに来たのは食べ終わった料理を片付けに来たのと貴方に説教をしに来ました」

(リグル)「説教・・・ですか」

(メリア)「はい。では早速貴方は無茶をし過ぎです。」

(リグル)「無茶?」

(メリア)「そうです貴方はデイルさんの専属メイドでしょなのにここに来てからはコリアさんの面倒からこの城の掃除から料理から洗濯まで休み暇もなく働いてくれたその点はとてもメイドとしては評価すべきです」

(リグル)「ありがとうござい・・・」

(メリア)「しかし貴方は一つだけメイドとしてやり忘れている仕事があります」

(リグル)「それはなんですか?」

(メリア)「それは休むことです」

(リグル)「休むですか?」

(メリア)「そうですメイドの様な身体が資本の仕事ではしっかりとした休息も必要なんですもしもそれを怠ると今の貴方の様な事になってしまいますそうなると貴方だけではなく周りの人達にも迷惑をかけるんですそれが一番メイドのなかのタブーです」

(リグル)「ごめんなさい」

(メリア)「まぁ本当なら説教し足りないくらいですが今は貴方の体調が悪いですし長い説教で状態が悪化してもいけませんからこのくらいにしておきます。それと最後に貴方の代わりの人は二人やってくれていると言いましたが他にも買ってでてくれた人たちは大勢いました。その貴方の人望には私も感服していますそういう所は評価されるべきだと思います」

(メリア)「私とした事が少し長居をしすぎましたでは身体をゆっくりと休めてください」




(魔獣A)「おいお前いけよ」

(魔獣B)「なんだよ言い出しっぺはお前だろ」

(魔獣A)「違うよCだよ」

(魔獣C)「俺はそんなこと言ってないぞ」

(メイド)「リグルの看病は私たちの仕事よ」

(メイドA)「そうよ分かったらさっさと帰りなさいよ」

(魔獣A)「なんだよお見舞いぐらいいいだろ」

(魔獣C)「そうだそうだ」

(???)「誰が何をするって?」

(魔獣B)「そりゃ俺たちがお見舞いに行ってあわよくばお礼なんか言われちゃって」

(魔獣A)「そうそう魔獣さんってかっこよくて優しいんだなんて言われて」

(???)「そうかいそうかい」

(???)「でも」

(デイル)「女の子の部屋に入り込むのはよろしくないと思うな」

(魔獣A)「デっデイル様どうしてここに」

(デイル)「いや何私の可愛いメイドさんの様子を見に来たら扉の前で怪しい不届き者がいたから声をかけたまでさそれに君たちそろそろ魔王城の警備に行かないと行けない時間なのにまさかサボろうなんて思ってないよね?」

(魔獣C)「あ、あ、すいませんでした」

(魔獣B)「今すぐ警備にあたります」

(魔獣A)「おい待ってくれよ」

(デイル)「ふぅ意気地のない奴らだ」

(リグル)「どうかしたんですかデイルさん?」

(デイル)「おいおい寝てなきゃダメじゃないか」

(リグル)「外で話し声が聞こえたのでつい」

(デイル)「ほら横になって布団もちゃんと着て」

(リグル)「もう分かりましたよ」

(デイル)「どうだい?体調は」

(リグル)「はいコリアさんがくれたお薬のおかげもあってだいぶマシになりました」

(デイル)「そうかいならよかったよ」

(リグル)「それでどうしたんですか?」

(デイル)「いや大した用という訳ではないんだけどねこれをと思って」

(リグル)「これって?」

(デイル)「絵本だよもし良かったら読み聞かせをしてあげようかなって」

(リグル)「(読み聞かせか子供の時以来だなもう10年位してもらってないのか)」

(リグル)「デイルさんお願いしてもいいですか?」

(デイル)「あぁもちろんだよ」



(デイル)「むかしむかしとある村にカイと言う男の子がいましたかれは農家の次男坊で毎日の様に畑の手伝いをしていましたそして彼には特別な力がありましたその力とはなんと妖精を見ることができる事です彼は家族や近所の友達に妖精が見える事を話しますが誰も一向に信じてくれません最初はまだ真剣に聞いてくれる人がいましたが日が経つにつれて誰も取り合ってくれなくなりましたそれだけでなくホラ吹きだと言われはじめました家族もだんだん鬱陶しく思い耳を貸さなくなりました。そして事件が起きたのですある日畑に行くと畑の一部がぐちゃぐちゃに荒らされていました家族達も最初は魔物が食い荒らしたのだと思っていましたが周りに貼られている結界は壊されていませんでした。そうすると誰か人間がこの畑を荒らしたことになりますお父さんは誰がこんなことをやったんだと怒っていました。そんな時にお兄ちゃんがカイがやったのを見たと言い出しました。もちろん僕はやっていない事を伝えても嘘つきめと全く耳をかしてくれませんでした他の家族からも白い目で見られて苦しくなった時僕がいつも見えていた妖精さん達が僕に沢山集まってきましたなんと言うか妖精さん達が集まると身体が優しい温かさに包み込まれ・・・・・・」

(デイル)「ふふどうやら眠ってしまったようだねゆっくりとおやすみリグル」




(リグル)「(あれ誰だろう誰かが頭を撫でて・・)」



(マライ)「今まで無理をさせ過ぎましたわねでも一言ありがとうと言っておきますわ」

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