第3話 不老不死探偵の助手
おれは
店の主人は
おれ、何度も見てますから!
そんな特異体質を利用して、長くヨーロッパやアメリカなんかを放浪して、最終的に故郷の日本に戻ってきたんですって。そんな奇特な人が、ただの骨董屋なんてやってると思います? 実は裏の顔は探偵なんす。というか何でも屋? 時には賞金稼ぎ? まぁ大抵のことはやりますけど、本領を発揮するのはやっぱり怪事件に対してですね。
なんていったって不老不死ですから。外国を放浪していたとき、随分とあっち方面の研究をしていたらしくて、とんでもない武器や呪術を使いこなしてるっす。凄いでしょ⁉
あ、いや、全然凄くないです。不老不死でどんなに凄い術が使えても、本人の性格は破綻してますから。人間性最悪なんです。とんでもない駄目人間なんす。
おれはそんな主人にこき使われている哀れな十六歳なんす。
そんなことで、今日もおれはご主様の・・・いやいや、非情非道な鬼畜野郎の為に、せっせと働いてるのでやんす。
既に一階の店舗の掃除は済んでいるんで、いよいよ地下の仕事を始めることにした。
実は骨董屋の地下は、ご主人の裏稼業の為の場所になっているのだ。
天井まであるずらりと並んだ木製の棚には小さな魔法陣が幾つも画かれ、その上に拳銃や弾薬や刀やナイフやクナイなどの様々な武器や道具が配されている。
おれは毎日これらの武器の手入れを任されているのさ! うへへ、凄いだろ。
あ、ホントはね、本音じゃこんなことやりたくないんだぜ? だけど、ほら、おれがやらなきゃ誰がやる? もうおれがいなきゃご主人は何にも出来ないからさ、ホントただの不老不死でちょっと腕の立つだけの嫌な奴だからね。
ま、仕方ないって訳っすね。
だからおれは、夜から出かけるご主人のために、せっせと銃身を磨き、潤滑油を塗布し、弾丸を込めて、準備をしてるっす。
今夜は一波乱あるんじゃないすかね? あぁあ、おれも連れてってくれないかなぁ。
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