第72話~バレンタインイベントに参戦!
私達は今、列に並んでいます。何の列かと言うと、カウンターのお兄さんに作成した地図を渡す為ですが、いつもなら全然人がいないのに、今日は凄い人!
で、私達以外の人は皆、大きな袋持っています。何でしょうあれは……。
「あ、地図ね。ご苦労さま」
「何か忙しそうだね」
「あれ? 君達は参加しないの? バレンタインのイベント」
私達は顔を見合わせた。
この人だかりは、イベントのせいだったのです。
「昨日からやっていて、溜めた鉱石を持って来る人で、ごった返しだよ。悪いけど、地図は後で確認しておくよ。また宜しくね」
昨日とはリアルの昨日じゃなくて、ゲーム内の昨日なんだろうね。
いつもは、すごーいとほめちぎるお兄さんだけど、今は余裕がないみたい。
私達は、部屋に戻って、タブレットを覗いてみた。
~カカヲを手に入れて、スキルをゲット!!~
迷宮でカカヲ鉱石を手に入れて、カウンターで交換すると、ポイントゲット!
ポイントを★にも変換できます!
また畑をゲットして自分で栽培すれば、直接カカヲをゲット!
それを食べると、色んな効果が!
まれにスキルも覚えるらしいよ!
「これ、昨日からやってるね。21日から63日までだって。リアルで一週間だね」
「カカヲって自分で栽培出来るんだ~」
どうせならカカヲを食べて、スキルをゲットしたい!
そう思って見てみると――。
~カカヲのゲットの仕方~
1 迷宮でカカヲ鉱石を手に入れる。
2 それを砕き粉にして、畑に敷き詰める。
3 食物の苗を植える。
4 稀に実るカカヲの実をゲット!
そのまま食べてもいいけど、品種改良を進めると、カカヲの実がレベルがアップして、レベル5で必ずスキルをゲットできちゃいます!
「これって……。畑さえゲット出来れば、僕の農夫のスキルが役立つかも!」
「じゃ品種改良できるの?」
私が聞くと、ユージさんは勿論と頷きました。
問題は、畑とカカヲ鉱石を砕く事だよね。
「畑ってどうやって手に入れるんだろう?」
「僕がいた村にもあったけど、多分だめだろうね。何かイベントをこなして手に入れるとおもうんだけど……あ!」
タブレットを操作してみていたユージさんが、見てと指差す。
そこには、★30個で1スペース(苗一個分)と交換できます。と書いてあった。
前からやっていて、★を溜めていないと難しい数です。
「これなら畑イベントを探して、ゲットした方がいいかもね。1スペースだと多分、改良が間に合わないよ。まあ、採ったのをそのまま食べるならそれでもいいかもだけど」
そっか。改良するのも結構大変そう。
取りあえずは、カカヲ鉱石が手に入る迷宮を探さないとね!
「じゃ、迷宮探しをしようよ!」
「そうだね。そう言えば、迷宮探し初めてだね。よし、新しいのを見つければ取り放題だよ!」
私が提案すると、嬉しそうにユージさんが答えました。
やみくもに探してもダメだろうと、聞いて歩く事にします。
まずは、モーグさんに聞き込みです。
「こんにちは!」
「おう!」
今日も元気そうです。
モーグくんの耳は、今も輝いている。
「あのさ。近くに迷宮ないかな? カカヲ鉱石が取れるのがわかっているならそこがいいんだけど」
「カカヲ鉱石? 聞かないな。そう言えば、湯が沸く土地に迷宮が発見されたって話は聞いたけど……。でもあそこは、やめておいたほうがいいぜ」
「何で?」
「喉が痛くなるらしい」
私が聞くと、真面目な顔でモーグくんは言いました。
それってもしかして、湯気とかに魔石の成分が混ざってるって事?
「うーん。まずは行って見る?」
ユージさんに言われて私は頷いた。
ワープマーカーを実りの養鶏場を出た所に設置してきたので、私達はそこにワープする事にします。
ワープして少し歩くと看板がありました。
『湯の谷→』
たぶんここが、そうだと思う。
「行って見よう」
どんどん下っていきます。
そして、崖崩れの場所がありました。
そこはぽっかりと穴が空いていて、湯気が出て来ています。
「もしかしてここが迷宮の入り口かもね」
そう言って、ユージさんは鉱石に明かりをともし、洞窟に入ろうとしたんだけど……。
「う……。無理!」
手で口を押えて、出て来ました。私も続こうと思っていたんだけど、ユージさんがどけた途端、いきなり喉がカーッと熱くなった。
私も口を手で押さえて、湯気が当たらない場所へ避難です。
「これ、このままだと、入る事も出来ないね」
「うん。私、本を調べてみるね!」
モーグくんが言う通りだった。
何も見つからなったら違う迷宮を探すしかないけど……。
というか、ここが迷宮かまずは確認をしたいところです。
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