第65話~魔法陣の鏡

 うーん。全然模様が上手くいかない。

 思っていたより大きな魔法陣を描くのは難しい。どうしよう。

 これ、闇の刻までに云々じゃないような。


 「大丈夫? 今回は難しいよね」


 困っているとわかったのか、ユージさんが声を掛けてくれます。

 私は、素直にうんと頷く。


 「うーん。そうだな。小さく描いたのを大きくするとかそういうのないのかな?」

 「大きく? そっか。そういうのが出来ればいいのね! ユージさんありがとう」

 「うん。僕は何も出来ないから……。無理しないで何でも言ってね」

 「うん」


 私は頷くと本を確認しました。

 あった。発明品で魔法陣の鏡を発見です。

 魔法陣だけを反射し、拡大、縮小できるものらしい。


 ちょっと魔法陣は複雑ですが、魔法陣の鏡は、直径30センチで円。その丸い板に棒みたいなのをつけたものです。

 イメージ的には、看板みたいにこの棒で立てるだけだと思う。

 それをユージさんに作ってもらい、窯で焼きます。


 「魔法陣の鏡」の魔法陣は、創造力40,000必要で、今37,000ちょいなので貯まった経験値15,000を使って3,000振りました。

 創造力を長所にしておいてよかった。じゃなかったら3万必要な所だったです。

 確率は、LUKが最低4,000必要で400上がることに1%UP。

 残りの経験値12,000をLUKに振り、合計で29,800を超え確率は65%ぐらいになりました!

 半分以上あるので、頑張ります!

 HPもあるし失敗を恐れずにできる。


 こうして書き上がった鏡の魔法陣に鏡の粘土を入れました。

 こてん……。私はひっくり返り、バジーくんがびっくりしています。

 まあ、失敗するとは思っていなかったでしょうからね。

 

 もう一度チャレンジ。次で成功しました!

 一先ず安心です。鏡は普段は普通の鏡のようで、普通に風景を映し出しています。

 それにしてもまさか鏡まで自分の手で作れるとは……。

 さて準備も整ったし、複雑な魔法陣を描くとしましょうか。



 ◇



 一番書きやすい大きさで、魔法陣を描く。これは下書きです。

 この状態で写す事にしました。

 本当の魔法陣で複写した場合、大きく複写した魔法陣に魔力を送らなくてはいけないみたいで、下書きだと今までと同じでなぞるだけでいいみたいです。

 下書きにも使えてよかった!


 さて、魔法陣を描き終わったら今度は、複写先の魔法陣の大きさを決めます。

 実は鏡についている棒は、先端が尖っているのですが、これは立てる為だと思っていたんだけど、これを使って円を描くみたい。

 囲った円の中に魔法陣を複写する仕組みなのです!


 鏡の裏に魔石を入れる場所があってそこに入れると、鏡の面に一瞬、サーッと光が走りました。

 見るとなんと、自分達が……いえ何も映ってないではありませんか!

 どうやら魔石を入れるとそうなるようです。


 私はまずこれで、地面に直径二メートルの円を描く事にしたけど、方法は古典的な方法で真ん中に芯になる物を立てそれにロープくくり付けて鏡にも結び、立てた芯を中心にぐるっと一回転。

 これで綺麗な円の出来上がりです。


 次に小さく描いた魔法陣の近くに鏡を立てると、不思議な事にその魔法陣が映りました。そして、一瞬で大きい円が魔法陣の下書きに大変身です!


 これ凄く便利!

 小さい魔法陣にする場合は、完成した魔法陣でやれば細かくて描けない模様もばっちりですね!


 さあ、下書きをなぞりますか。

 って……辺りが暗くなってしまい、結局闇の刻までには出来ませんでした。


 ユージさんと相談した結果、明日の朝なぞる事にして、テントを建て私達はそこで休憩。ログアウトして小休憩です。

 21日の目覚めにINして再開する事になった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る