第61話~回復魔法使いの気分を味わえます
「いやぁ、ありがとう!」
受付のお兄さんは満面の笑みです。
「君達に頼んでよかったよ! ではこれはお預かりします」
書状を持ち帰った私達にそう言って嬉しそうに、書状を持って消えて行きました。
「僕達は少し休もうか」
「うん」
私達はギルドの部屋に戻りました。闇の刻なったので、次の日の光の刻まで小休憩する事にしました。布団に入り次の日の20日光の刻にINする事に。リアルにしたら一時間ちょっとの休憩です。
◇
20日の光の刻にINすると、今回もユージさんは先にINしていて、臼を引いていました。
「あ、おはよう。少しは休めた?」
「うん。ユージさんって休んでる?」
「勿論。これ今始めた所だから全部終わるまでやっちゃうね」
私が頷くと、ゴリゴリとまたユージさんは再開です。
その間、私は暇なので、本を眺める事にしました。
ユージさんはイスに座り、テーブルの上でゴリゴリとやっていたので、その向かい側のイスに私は座り、本を開きます。
実はちょっと調べたい事があったのです。
私はスキルを獲得するごとに、おじいちゃんがくれた装備のお蔭で、ステータスがUPします。HPの最大も400ずつUP。しかしHPは、寝ても回復しません。
そこでHPを回復させる魔法陣を探そうと思ったのです!
調べるとHPを回復する魔法陣を発見しました!
魔法陣は魔法と同じ回復方法と書いてあり、ポーションと異なり、回復される側によって回復量が違うと書いてあります!
そういうものだったのね。
本によると――
MND1,000で回復量100%。
例、100回復の魔法の場合、MNDが500だと50%の50回復。5,000だと500回復する。
魔法はポーションと違って持続性がある。時間は10分。
例、100回復を掛けMNDが5,000の場合、最大合計500回復するが、掛けた時に300で最大になった場合、10分以内であれば、攻撃などを受けてHPが減った場合、残りの200分は回復する。ただし、一気に0になった場合は死亡扱いとなる為、回復はしない。
私達にはあまり関係ないような気がするけど、戦闘する人には魔法は必要かもね。
自分のMNDを見ると、森番ロウの加護スキルの効果で増えて、2,000超えています!
という事は、倍に回復するという事で……。
よし! 回復の魔法陣を書いてみましょう!
私はごそごそと、黒板とチョークを取り出し、本を横に置きました。
「どうしたの?」
突然の私の行動にユージさんは驚いています。
「あ、HP回復させておこうかと思って。ほらスキル増えると、HPの最大も増えるでしょう?」
「そっか。羨ましい。で、今最大いくつ?」
「プラス1,600!」
それを聞いたユージさんは、吹き出しました!
「あはは。何それ。凄いね! 君が錬金術師になるのが楽しみだよ」
そう言って、左ひじをテーブルに付き頬杖をして私を見つめていています。たぶん、魔法陣を描くので、いつも通り見学するつもりなのでしょう。
回復の魔法陣は、LUKによって回復量が違うみたいです。魔法陣は同じなんだけどね。LUK最低10,000必要で、10,000で100回復。LUKが1,000増えることに回復量は10増える。
この魔法陣は、発明家用のスキルだよね。普通の人は、LUK10,000になんかしないだろうから……。
◇
終わった! 後は魔法陣の上に乗るだけ! 楽しみ!
魔法陣を描いて30分で下書きが終わり、15分ほどかけて魔法陣が書き終わりほのかに魔法陣が光を帯びる。
「出来上がったんだ。まさか部屋で魔法陣を描くなんてね! 黒板を買った甲斐があったよ」
「そうだ! ユージさんも一緒に入ろうよ!」
「え? いいの?」
私の言葉に嬉しそうにユージさんは言う。それに私は頷く。
「魔法陣は、人数制限がないみたい。大きく描けば何人でもOK。回復される人のMNDの値が大きい程、回復量が多いんだって!」
「へぇ。魔法と同じなんだ」
ユージさんは、魔法でのHP回復の仕方を知っていました。
「じゃ、手を繋ごうか」
「え? 何で?」
「せーのをする為に」
私が驚いて聞くと、にっこりほほ笑んでユージさんは答えました。
はいはい。慣れましたよ。
素直に出した手をユージさんは握りました。
一緒に魔法陣の中に入ると、魔法陣の光は上へと駆け上がる!
HP:1,205/100(+1,600)
STR:21 握力:120
VIT:4,269+8,200 視力:120
AGI:21+2,000 聴力:125
DEX:21 読解力:120
INT:21 創造力:37,022
MND:21+2,000
LUK:22,402+5,000
魔 法:―
スキル:採取・観察力・粉砕・目利き ・探求心・トンネル師 ・以心伝心・
森番ロウの加護
私のHPは505回復しました!
大満足の回復量です。けど魔法陣を描く事を考えれば、ポーションの方がよさげね。
「ありがとう。減っていたの回復したよ」
ユージさんも満足げにそう言ってくれました。
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